CHOCOLATE ADDICT CLUBをご愛好いただいている方々へのインタビュー第5弾。
ニューバランスジャパンでブランドマネジメントを指揮する鈴木健さんに、CHOCOLATE ADDICT CLUB及びMinimalの魅力についてお話しいただきました。
これは自分の期待していた方向性かもしれない
――CHOCOLATE ADDICT CLUB(以下、CAC)に入られたきっかけは何でしたか?
鈴木さん
最初にMinimalの板チョコレートを食べたとき、正直にいうと「ちょっとよくわからなかった」のです。
「Minimal」という名前が特徴的で、板チョコレートのデザインも幾何学的なので、科学的にチョコレートを分解して再構築するようなファンクショナルな印象を抱いていたのですが、食べてみるとすごくピュアな感じで、思っていたのと全然違うなと。
質の高さはよくわかったけど、どこか面白味がないように感じちゃったんですね(苦笑)。
もう少し整理して言うと、ユーザー側のエモーショナルなベネフィットが見えづらかったのかもしれません。
でもとても気になっていたチョコレートではあったので、サブスクリプションのCACが始まることを知り、「これは自分の期待していた方向性かもしれない」と感じました。
毎回同じスイーツが届くのではなく、新しい提案があるというのも楽しみで、期待も込めて申し込みました。
「食べて終わり」ではなく、「背景の情報」も味わっている
――実際にCACに入られていかがでしたか?
鈴木さん
毎回の同梱リーフレットがすごいなと思って見ています。
スイーツって味が大事ですが、食べると一瞬じゃないですか。そうなると、事前の情報が大事だと思うんですね。食べる時のイメージをどれだけ膨らませられるかで満足感が決まるんじゃないかと。
これはお酒と似ていて、私はウイスキーが好きなのですが、ウイスキーってがぶがぶ飲むものではないので、イメージが重要なんですね。
ゆっくりできる雰囲気や、グラスの重さ、合わせるつまみなど、コンテクストを含めて消費します。ウイスキーを紙コップで飲んでも美味しくないですから。
リーフレットには「ちょうどいい温度帯」とか「ラム酒と合わせる」とか「職人のこだわり」などの記載がありますよね。実際に自分ではやらなかったとしても、「こうすると120%でちゃんと楽しめる」「このパーツはこう味わってほしい」といった内容を知れることで、「一瞬で終わってしまう味」を引き延ばして味わえるのではないかと感じるのです。
「食べて終わり」じゃなくて、背景も味わっていると言いますか。
これがもし「ただのチョコレートケーキ」として売っていたら、自分は買っていなかったかなと思います。
ここまで毎回凝ったものを届けるサービスが、他に浮かばない
――最初は「よくわからなかった」Minimalが、CACを通して魅力に気づけたということでしょうか?
鈴木さん
そうですね。もともと信頼度はあったんですよ。
チョコレートを真面目に考えている会社であることは伝わっていました。
ただ、商品プレゼンを受けて一発で「すごい!」とはならなかったので、私にはサブスクリプションの形が一番よかったと思います。
リーフレットを読み、実際に食べて、次回はこんなものが来ると期待値を作り、という繰り返しで「蓄積」されていった感じですね。
あとは、他に代替物が浮かばないんですよね。ここまで毎回凝ったものを届けるサービスを知らないので。
私の感覚としては、チョコレート屋さんから毎月チョコレートが届くというより、挑戦的なパティシエが毎月新しいものをていねいに作って届けてくれるというイメージです。
「近所にちょっといいランチを食べに行く」感じ
――いつもどんなシチュエーションで楽しまれていますか?
鈴木さん
妻と二人で、子どもが学校に行っている間にこっそり食べています(笑)。
夫婦で「近所にちょっといいランチを食べに行く」みたいな感じにも近いですかね。「Minimal Works(2月)」は、「どれ食べた?」「これは美味しかったよ」みたいな会話にもなりました。
妻は人気のスイーツ店に行ってスイーツを買うのが好きなので、毎月届くことに価値を感じやすいみたいです。私も自分でケーキを買って帰るとすると、対象がやっぱり子どもになるので、子ども用ではなく夫婦向けにスイーツが届くのは嬉しいですね。
――CACはどんな方々におすすめしたいですか?
鈴木さん
私は「チョコレート好き」というよりも、ウイスキーやコーヒー好きの人に薦めたいですかね。
ていねいに造られたものを喜ぶ人には薦めやすいです。
Minimalという名前を冠していることから「本質的なところは何なんだろう」と考え続ける姿勢に共感してもらえるような人にも薦めたいですかね。
チョコレートには、こんな素敵なアウトプットがある
――CACに今後求めるものはありますか?
鈴木さん
とにかくチャレンジし続けてほしいですね。チョコレートというものの可能性を考えて挑戦していることも絶えず発信してほしいです。
私は「チョコレートティラミス(4月)」は大好きでしたけど、もしかするとMinimalの考え方からすると少し邪道かもしれないなとも感じていて。どちらかというと「みんなでシェアする」ものより、「じっと向き合う」感じの方向性なのかなと思いましたので。
だからたまには、ものすごくストイックなものが届いても面白いのかなと。たとえば、「美味しい粉を造ったから、ちびちび舐めて」とか「長い細いチョコレートを、噛まずに舐める」とか(笑)。
――面白いですが、スキップ率もすごいことになりそうです(笑)
鈴木さん
そうですね(笑)。
逆に、たとえば「Minimalが考える、子どもに食べてほしいチョコレート」みたいなものとかはどうでしょうか。
子どもウケを狙って砂糖でコーティングするのではなく、カカオを使った甘くないお菓子(お煎餅のようなもの)で、チョコレート文化を広げるみたいなイメージで。「甘くないけど子どもが好きになるチョコレート」というお題にMinimalならどう答えるか、ということにも興味があります(笑)。
カカオは、古代には「強壮剤」としての側面があったと思うので、「チョコレートは甘い・とろける」以外にも、こんなに素敵なアウトプットがチョコレートにはあると面白さを伝えてほしいですね。
チョコレート文化を広げるチャレンジを期待したい
鈴木さん
たぶん「広い意味でのチョコレート文化がどうなっていて、Minimalがどういうコンテクストに位置付けられている」みたいなことを、私は知りたいんですね
「美味しい/美味しくない」で終わらず、ちゃんと文化を伝えてくれることを期待したいと言いますか。自分の興味が主に文化づくりにあるからなのですけど。
チョコレート文化を広げるというのは、チョコレートを広げるというより、カカオを使った料理の可能性や文化を広げることでもあるのかなとも感じていますので。
これからも時代によって求められる価値は当然変わると思いますが、CACの今後の挑戦を楽しみにしています。
鈴木さんのCHOCOLATE ADDICT CLUBベスト3
第1位
Minimal Works:Flight 2023(2月)
パッケージデザインも、「カカオ産地を旅するように」というコンセプトも、9種も食べ比べできることもいいなあと思いました。これは人にも贈りたいと思いますね。
第2位
プレミアムアイス6種(6月)
夏にアイスを作ってくれるのはやっぱり嬉しいですね。ていねいに造られた味がしますし、食べ比べも楽しいです。ストイックなものづくりを感じます。
第3位
チョコレートティラミス(4月)
子どもがすごく喜んで食べていました。パーティサイズみたいなものがあれば楽しめそうですよね。
鈴木 健さん
ニューバランスジャパン・マーケティング部ディレクター。1991年に広告代理店の営業からキャリアをスタートし、2009年ニューバランスジャパン入社。ブランドマネジメント、PR、広告などマーケティング全般に幅広く携わる。
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