BRAND STORY

私達の想い

チョコレートを、新しくする。

チョコレートは、フルーツでした。

 

 

きっかけは、一片のチョコレートでした。

知人から入手した「カカオ豆」を自家焙煎し、チョコレートを手づくりしてみました。

すると、見た目はふつうのチョコレートと変わらないにも関わらず、まったく今まで食べたことのないフルーティな味わいに仕上がりました。

そのギャップに驚かされると同時に、その美味しさに強く心を動かされました。

思えば、カカオ豆とは「南国果実のタネ」です。

見たことのないフルーティなチョコレートは、今までの固定概念を大きく揺さぶり、未知なる美味しさへの好奇心を強く刺激しました。

これが、Bean to Bar(ビーン・トゥ・バー)と呼ばれる、新しいチョコレートとの運命的な出会いでした。

 

 

 

 

Bean to Barとは、豆の選別・仕入れから加工・製造・販売までのすべてを手がける、まったく新たなチョコレートづくりのスタイルです。

最初に試作したチョコレートは、今、Minimalで製造している完成品よりも
はるかに荒削りで原始的な仕上がりでしたが、その衝撃の大きさの分だけ、大いなる可能性を感じました。

もっと多くの人にこのチョコレートの存在を知ってほしい。そして、自分たちと同じような新鮮な驚きをぜひ体感してほしい。そんなシンプルな、しかし抑えがたい衝動に突き動かされ、新たなチョコレートの可能性を探り始めました。

やがてそこに、想像を遙かに越える奥深い世界が広がっていることに
気づかされることとなりました。

 

 

カカオという、一期一会の農作物。

 

 

まず、チョコレートの製造ノウハウを徹底的に研究するためにアジア・アフリカ・中南米の3大陸のカカオ豆を選び抜きました。

チョコレートを原料の豆からつくる過程は、思いもよらないほど緻密な作業の連続です。

たとえば、「摩砕」と呼ばれる豆を砕く工程では1,000分の1ミリ(1マイクロメートル)大きさが変わるだけで、食感も、香りも、溶け出すカカオバターの分量も変わり、味わいの出来映えがまったく変わります。

豆ごとの最適な粒の大きさはどのくらいなのか、数え切れない失敗と実験を繰り返し、根気強く学びつづけました。

カカオは品種・気候・土壌・農法・生産者などの条件の掛け合わせで、同じものが二つと生まれない、複雑な農作物です。

当初はその「再現性のなさ」に手をこまねき、同じ農場の豆を同じ製造工程で加工しても同じようには仕上がってくれないチョコレートに苦戦していました。

 

 

 

しかし、カカオ豆からチョコレートをつくるとは毎回毎回条件が変わるものに対し、毎回毎回つくり手が自分たちのめざす味わいに向け、つくり方を合わせていくことに他なりません。

「素材なり」という考え方。

いつも個性の異なる豆に対し、素材なりの良さを引き出すには、今日はどんな製造法を用いれば良いだろう?と考え続けることです。

毎回豆が変わることは、もはや避けられない大前提です。つまり、カカオ豆とはすべてが“一期一会”なのです。そんな一期一会のカカオ豆と毎日毎日、何時間も向き合うにつれて、次第に“面白さ”や“愛おしさ”を感じはじめました。

自然には抗わない。自然の営みに寄り添う。そのうつろいを楽しむ。

カカオ豆と向き合う日々の中でたどり着いたのは、本質的な、素材に根ざした姿勢でした。

チョコレートを引き算していくと、
ライフスタイルに近づきました。

 

 

素材の個性を活かすことはじつは「日本食」の考え方に通じています。

製造方法に素材を合わせるのではなく、素材の特性に応じて製造方法を変えることで素材の良さを引き出す。その料理法の真髄は日本人にはなじみ深いものです。

Minimalのチョコレートは余分な添加物を使わず、「豆に砂糖を加えるだけ」という必要最小限の成分でつくられます。

今までのチョコレートが、味や香りを「足し算」で加えていくものならば、Minimalは、チョコレートを「引き算」して日本食の発想で再解釈しています。これまでの大量生産のために最適化された製造工程ではなく、“素材最適”にチョコレートの製造工程を見直して「リ・エンジニアリングする」という姿勢で挑んでいます。

日本人だからこそ辿り着けた、新たな境地がここにあります。

一期一会のカカオ豆の個性をきちんと伝えること。そのこだわりを製造工程で守り抜いたチョコレートは、カカオ豆本来の味わいや香りが濃厚に息づくとともに原産国の自然や文化的背景を伝える、「物語のある食材」にたどり着きました。

それは、日常シーンやライフスタイルをきっと豊かに演出します。

 

 

 

 

たとえば、贈り物をするときに、相手の好みに合わせた香りのチョコレートを選んだり。ホームパーティの手土産に持っていき、Bean to Barにまつわるあらましを会話のきっかけにしたり。

葉巻に添えて同じ原産地のチョコレートを合わせ、遠いその土地の風土や文化に想いをめぐらせたり。コーヒーやワインとペアリングして、そのひとときを特別な時間に変えたり。

Minimalは、チョコレートを甘いばかりの「おやつ」ではなく、ブランドやデコレーションを愉しむ「高級品」でもなく、ライフスタイルに豊かな彩りを与える「嗜好品」に変えていきたいと考えています。

 

 

チョコレートづくりは、
赤道直下のカカオ農園からはじまります。

 

チョコレート製造の試行錯誤に明け暮れる一方で、生産国の農園を訪ね歩いて、取引をしてもらえるパートナーを探してまわりました。

そのときに、にわかには信じがたい話ですが、現地の人々はカカオ豆が何に用いられるのかも知らないという現実を目の当たりにしました。

「チョコレート」という製品を知らずにカカオ豆の栽培を行う農家に対し、まず彼らの前でチョコレートを実製作して試食をしてもらいました。

「こんなに美味しいものを栽培していたのか!」と彼らは驚き、目を輝かせはじめます。それが、「生産者」としてカカオの品質向上に取り組んでいく出発点になりました。

 

 

忘れられない光景があります。

製品の完成後、農家の元に持参してすべてのチョコレートを食べ比べてもらったとき、「私のつくったカカオのチョコレートがいちばん美味しい!」と皆が笑顔で言うのです。

それは「良いものをつくりたい」というシンプルな想いの表れでした。カカオという自然の農作物を愛し、深く興味を抱ける生産者でなくては、長期的に継続して「良いもの」をつくることは難しいと思います。

こういう“気概”のある人たちとパートナーシップを組み、共に高みをめざしたい。そう、強く胸に誓いました。

そして、教えられました。どれほど遠い距離や、文化や、価値観を隔てた関係であっても、「より良いものをつくる」という同じ志を共有できていたならば、まるで近くにいる親しい仲間同士のように通じ合えるものなのだと。

まだカカオの品質向上にめざめていない生産者は、とても多いのが現実です。それでも、Minimalは想いを共にできる人を探して出会っていきたいと考えています。

生産者と消費者をつなげる「Bean to Bar」だからこそ、こうして世界とつながれるのですから。

 

チョコレートで、
世界をどこまで変えていけるだろう。

 

 

上質なカカオ豆をつくるために一生懸命育ててくれるパートナーである生産者と、切磋琢磨しながら共にさらなる品質の向上をめざすこと。

製造者である自分たちは日夜真剣に素材と向き合い、妥協やごまかしのない、美味しいチョコレートをつくること。

そして、お客さまにそのチョコレートを心から愉しんでいただき、ライフスタイルに彩りを添えるお手伝いをすること。

生産者の精魂こめたカカオ豆を、チョコレートの製造者としてお客さまに届け、お客さまからの声を今度は生産者に伝えることで、さらに良いカカオ豆を生産し、ますます品質の良いチョコレートをお客さまに届ける。

生産者・製造者・消費者による「三方良し」。この三方を結ぶ輪が、さながら「末広がりの円」を描くように大きな強い関係に育つことで、世界はこれからもっともっと大きく変わっていけると思います。

 

 

 

 

新しいチョコレートは「食べ物」に留まることなく、まるで「空気」のように人と人をつなぐ存在になれます。

ライフスタイルに溶けこみ、いつしか本当に空気のように暮らしになじんだとき、
それは「文化」と呼ばれるのだろうと思います。

私たちが挑むのは、そんな「新しい文化」のある未来です。

日本人ならではのアイデンティティを拠りどころにした、独自のBean to Bar。それがいつの日か、まだ誰も見たことのない未来をたぐり寄せる原動力になることを信じながら、今日も一枚一枚ていねいにチョコレートづくりに励んでいます。