BRAND STORY
チョコレートを、新しくする。
Bean to Barとは、豆の選別・仕入れから加工・製造・販売までのすべてを手がける、まったく新たなチョコレートづくりのスタイルです。
最初に試作したチョコレートは、今、Minimalで製造している完成品よりもはるかに荒削りで原始的な仕上がりでしたが、その衝撃の大きさの分だけ、大いなる可能性を感じました。
もっと多くの人にこのチョコレートの存在を知ってほしい。そして、自分たちと同じような新鮮な驚きをぜひ体感してほしい。そんなシンプルな、しかし抑えがたい衝動に突き動かされ、新たなチョコレートの可能性を探り始めました。
やがてそこに、想像を遙かに越える奥深い世界が広がっていることに気づかされることとなりました。
しかし、カカオ豆からチョコレートをつくるとは毎回毎回条件が変わるものに対し、毎回毎回つくり手が自分たちのめざす味わいに向け、つくり方を合わせていくことに他なりません。
「素材なり」という考え方。
いつも個性の異なる豆に対し、素材なりの良さを引き出すには、今日はどんな製造法を用いれば良いだろう?と考え続けることです。
毎回豆が変わることは、もはや避けられない大前提です。つまり、カカオ豆とはすべてが“一期一会”なのです。そんな一期一会のカカオ豆と毎日毎日、何時間も向き合うにつれて、次第に“面白さ”や“愛おしさ”を感じはじめました。
自然には抗わない。自然の営みに寄り添う。そのうつろいを楽しむ。カカオ豆と向き合う日々の中でたどり着いたのは、本質的な、素材に根ざした姿勢でした。
それは、日常シーンやライフスタイルをきっと豊かに演出します。
たとえば、贈り物をするときに、相手の好みに合わせた香りのチョコレートを選んだり。ホームパーティの手土産に持っていき、Bean to Barにまつわるあらましを会話のきっかけにしたり。
葉巻に添えて同じ原産地のチョコレートを合わせ、遠いその土地の風土や文化に想いをめぐらせたり。コーヒーやワインとペアリングして、そのひとときを特別な時間に変えたり。
Minimalは、チョコレートを甘いばかりの「おやつ」ではなく、ブランドやデコレーションを愉しむ「高級品」でもなく、ライフスタイルに豊かな彩りを与える「嗜好品」に変えていきたいと考えています。
忘れられない光景があります。
製品の完成後、農家の元に持参してすべてのチョコレートを食べ比べてもらったとき、「私のつくったカカオのチョコレートがいちばん美味しい!」と皆が笑顔で言うのです。
それは「良いものをつくりたい」というシンプルな想いの表れでした。カカオという自然の農作物を愛し、深く興味を抱ける生産者でなくては、長期的に継続して「良いもの」をつくることは難しいと思います。
こういう“気概”のある人たちとパートナーシップを組み、共に高みをめざしたい。そう、強く胸に誓いました。
そして、教えられました。どれほど遠い距離や、文化や、価値観を隔てた関係であっても、「より良いものをつくる」という同じ志を共有できていたならば、まるで近くにいる親しい仲間同士のように通じ合えるものなのだと。
まだカカオの品質向上にめざめていない生産者は、とても多いのが現実です。それでも、Minimalは想いを共にできる人を探して出会っていきたいと考えています。
生産者と消費者をつなげる「Bean to Bar」だからこそ、こうして世界とつながれるのですから。
Minimal’s Movie
Cacao Tour in Nicaragua
ニカラグアのカカオ農家探訪記
新しいチョコレートは「食べ物」に留まることなく、まるで「空気」のように人と人をつなぐ存在になれます。
ライフスタイルに溶けこみ、いつしか本当に空気のように暮らしになじんだとき、
それは「文化」と呼ばれるのだろうと思います。
私たちが挑むのは、そんな「新しい文化」のある未来です。
日本人ならではのアイデンティティを拠りどころにした、独自のBean to Bar。それがいつの日か、まだ誰も見たことのない未来をたぐり寄せる原動力になることを信じながら、今日も一枚一枚ていねいにチョコレートづくりに励んでいます。