Minimalの冬の人気商品のひとつ「生チョコレート」が、今年は「Minimal Collaboration シリーズ」として本格素材と掛け合わせて進化を遂げています。
「生チョコレート コーヒー -丸山珈琲-」の開発担当・奥野が、その舞台裏を語ります。
コーヒー豆の特殊発酵による、華やかな果実味。
今回、丸山珈琲にご用意いただいたのは東アフリカ・エチオピア産のナチュラルアナエロビック(嫌気性発酵)プロセスを用いたコーヒー豆でした。
コーヒーを淹れてテイスティングしてみると、香りの強さが圧倒的で驚きました。
苺ジャムのような甘酸っぱさ、カカオニブのような香りとコクを感じられる独特な風味、ビターさなど多彩で“複雑な味わい”が、通常のコーヒーとは別次元でした。
これは近年注目されている「アナエロビック(嫌気性)」で発酵させた希少品種を、丸山珈琲さんらしいていねいな焙煎で仕上げていただいた特級品であることがよくわかりました。
液体で素晴らしいこのコーヒーを、豆の状態(正確には粉末の状態)で生チョコレートにどう表現するかは大きな挑戦です。
丸山珈琲は世界に冠たるスペシャルティコーヒーの名店で、最先端とも言える特殊発酵で造られたコーヒー豆をいただけたのは、職人冥利に尽きると言いますか、腕が鳴るところがあります。
アナエロビック(嫌気性)プロセスとは。
コーヒー豆は、精製する過程で「発酵」を行います。
従来の「ウォッシュド/ナチュラル」プロセスは「酸素のある環境(好気性)」で微生物を活動させて発酵を促しますが、「アナエロビック(嫌気性)」プロセスはその反対です。
密閉式タンクで無酸素状態を作り、酸素に触れずに活動する微生物による発酵を行います
コントロールが非常に難しい処理方式ですが、従来の発酵とは異なる微生物が介在することで、これまでにない発酵感や華やかな果実味など独特なフレーバーが生まれます。
アナエロビック・プロセスのコーヒーは、近年の世界のコーヒー品評会でも脚光を浴びる斬新な精製手法となっています
チョコレートの原材料であるカカオ豆も、実は発酵のプロセスがあるのは、意外と知られていないかもしれません。
カカオ豆も発酵開始時は嫌気性発酵プロセスを経るという、コーヒーの世界のアナエロビックプロセスと共通点があります。そのためMinimalではこのスペシャルティコーヒーの発酵プロセスに注目していたこともあり、今回の生チョコレートの実現に至りました。
カカオ豆の発酵からみているMinimalならではの視点で、アナエロビックプロセスの豆を使った生チョコレートは恐らく他にはない商品であると思います。
コーヒーの香りを再現するため、最小限の4素材で仕上げ。
この圧倒的なコーヒー豆の風味を十分に味わうため、使用した原材料はコーヒー豆、カカオバター、生クリーム、水飴という最小限で仕上げています。
今回、開発に取り組んでみて、コーヒーのような「温かい飲料」の飲食体験を忠実に再現するには、口溶けで半固形に近くなりやすい生チョコレートが適していると感じました。
素材の個性や風味の移り変わりなど「コーヒーを飲む体験」をそのまま“刻印”するように生チョコレートに閉じ込めています。
コーヒーの良さを表現するために、コーヒー豆の鮮度にこだわり、挽く目の細かさなどを丸山珈琲さんと相談しながら調整しました。
そして、他の材料に対してどの程度のコーヒー豆を配合するかは腕の見せ所です。0.5%単位で調整しながら最適値を見極めました。この細かい差異が食べた時に体験の豊かさを決めるので、特にこだわったポイントです。
こうして何度も試作を重ねて完成したレシピでつくった驚くほどコーヒー豆の風味が息づく生チョコレートをお楽しみください。
丸山珈琲
1991年、軽井沢にて創業。「ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ」でチャンピオンやファイナリストを多数輩出するなど世界のスペシャルティコーヒーを牽引するブランド。代表・丸山健太郎氏は国際品評会の国際審査員を務めながら、バイヤーとして世界各地の生産地へ赴き、厳選したコーヒー豆を直接買い付けています。
https://www.maruyamacoffee.com/