【Staff Story #2 清水編(後編)】~MOFパティスリーから、チョコレート職人へ~

2019.01.31 #from Staff

Minimalで日々奮闘する3人のMinimalスタッフのストーリーをご紹介しています。

現在Minimalでチョコレート職人として働く清水が、シャイだった少年時代から製菓学校への進学を決め、大阪の洋菓子店、東京の老舗パティスリーを経てフランスM.O.F.のパティスリーに渡ったストーリーを前編でご紹介させていただきました。(前編はこちらからご覧ください)

今回の後編では、Minimalで働くことになったきっかけや、素材との向き合い方、そして今後の目標や、一押しの商品などをご紹介します。

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Minimal との出会い

実はフランスに渡る前に、Minimalの富ヶ谷本店にいったことがありました。できたばかりで雑誌に載っているのをみて、これは食べてみたいと思い足を運びました。

そこで試食をしてみると、「チョコなのにザクザクしてる!」「フルーツ入ってるみたいなのに、カカオと砂糖だけ?」と、全く食べたことのない新しい味わいに驚きました。

今までたくさんチョコレートは扱ってきたのですが、こんなチョコレートは食べたことが無く、本当に衝撃的でした。

 

フランスに渡り、菓子が人々の生活に根付いて文化になっていることに感銘を受けたり、その土地の素材を活かした菓子作りについて学ぶことが出来ましたが、技術に関してはフランスに特別なものがあるというわけではないと感じました。

逆に、自分が感動するくらい”おいしい”と感じるのは、「素材」に向き合い作っているかどうかだということを実感しました。

将来、食べた人が幸せを感じてもらえるくらいのおいしいものを作りたいと決めていたので、「素材」に向き合い表現できる幅が大きくしたいという気持ちが大きくなっていました。

 

そんなときにフランスのビザが切れ日本に戻ることになりました。「素材」からお菓子作りをしたいと思っていた時に思い出したのがMinimalです。

チョコレートを扱ったことはもちろんありましたが、クーベルチュール(チョコレート生地)を使っていましたし、その素材である「カカオ」のことはほとんど知らない状況でした。

フランスに行ってからも、初めて口に入れたときの衝撃が忘れられなかったMinimalで、素材からチョコレート作りをしたいと決心し、帰国後すぐに面接を受けてMinimalで働く事になりました。

 

 「カカオ豆」という素材の奥深さと苦悩

今は毎日「カカオ豆」と向き合い、チョコレート作りに没頭しています。シンプルだからこそ本当に難しい、と今でも毎日感じています。

本当にカカオ豆は奥深い素材で、やればやるほど難しい。いままでの菓子作りとは全く異なる難しさがあります。

まず一つ目は「素材が持つ表情が変わる」という点です。これは私にとって新しい概念でした。カカオ豆は同じ農家さんのカカオ豆であっても、麻袋ごとに風味が違っています。

例えば今まで小麦粉を使うとき、袋を開ける度に「今日はどんな小麦粉かな?」と考えることはありませんでした(笑)ただ、カカオ豆とは毎日そんな風に向き合っています。

二つ目は、「フレーバーを引き出す」という点です。もちろん今までも焼き菓子を作るときにいい香りを引き出すように焼き上げる工夫などをしていましたが、同じ素材から”フルーティーな香り”や”ナッツのような香り”を引き出す、というような感覚はありませんでした。

 

いまチョコレートを作るときに、私はカカオ豆のフレーバーとそのバランスを意識するようにしています。

今までパティスリーで働いてきた感覚では、味を重ねて満足感や深みを作っていくことが大切だったのですが、Minimalでは全く逆です。素材そのものを生かす料理人的な考え方で、繊細なフレーバーや味を作り上げていきます。

初めての職場でカスタードクリームを作る仕事で学んだ「地道な繰り返しが菓子の美味しさに繋がっていく」というのも毎日実感しています。

チョコレートを作る工程は毎日変わりません。そして扱う原料もカカオ豆と砂糖のみなので、いたってシンプルです。しかしその分、カカオを焙煎する温度や時間、摩砕する粒度など、素材に合わせてレシピを調整していきます。

すでにあるレシピを真似るだけだと、おいしいレシピならそれなりのものは出来上がると思いますが、そこから抜けてもう一ランク上のおいしさを目指すためには、この地味な繰り返しが大切であり、私の原点の考え方です。

 

今後の挑戦

カカオ産地にいってみたいと思っています。フランスにいったのと同じ理由で、チョコレートを素材であるカカオ豆から作っている以上、カカオ豆についてもっと実体験を増やしていきたいと思っています。

実体験を重ねると、ものづくりをするときに過去の記憶とリンクするので、とても大切だと思っています。

行ってみたい産地はペルーです。まだMinimalで製品化したペルー産チョコレートはありませんが、とても華やかなフレーバーを持つものが多いのでとても興味があります。

 

また、日本・フランスのパティスリーで培ったお菓子づくりの技術と経験に、Minimalでの素材を活かした料理人的な考え方を融合させた”素材を活かしたMinimalらしい新しい菓子作り”をしていきたいと思います。

実は今回新発売した「生チョコレート」の開発を担当しました。

最初開発したレシピは、クリーム感が強すぎる、カカオの香りが生きていないと言われてしまいました。カカオの香りは繊細で、イメージする味わいに辿り着かないのではないかと思うほどでした。

そこからチョコレートは10パターン以上、材料の組合せも10パターン以上、配合率も20パターン以上を試行錯誤しながら調整して、今回の「生チョコレート」が完成しました。よかったらぜひ食べてみて下さい。

これからもカカオの素材を活かしたおいしいチョコレートやチョコレート菓子を提供していきたいと思っています。ぜひ応援を宜しくお願いします。

 

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今回は、日々カカオ豆と向き合うスタッフ清水のストーリーをお届けしました。

次回もぜひお楽しみに。

 

清水おすすめのMinimal商品

生チョコレート

ナッツ系でコク深い、コロンビア・トゥマコ産カカオ豆を使用。 素材由来のリッチな香りをお楽しみいただける、なめらかで濃厚な生チョコレートに仕上げました。
口に入れた瞬間に広がる幸せな香りと、心地よい余韻をお楽しみください。

2,700円(税込)/内容量:9粒

  

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