【Minimal9周年記念対談】代表・山下×シェフ・奥野「お店の人の個性が“業態”になる」

2023.12.11 #from Staff

Minimalは12月1日で、創業9周年を迎えることができました。
いつも応援してくださっている皆様に、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

代表・山下が、社内各部署のメンバーと2023年を振り返る特別対談をお届けします。
※第1回はこちら

第2回は、シェフの奥野と、Minimalが手がけた新店舗「Patisserie Minimal 祖師ヶ谷大蔵」の新メニュー開発について語り合います。

本当に美味しいクッキーってなんだっけ?

山下
2023年を振り返ると、祖師ヶ谷大蔵オープンに向けて新メニュー開発に取り組んだことが大きかったね。最初は「チョコレートクッキー缶」だった?

※祖師ヶ谷大蔵店のMakuake(クラウドファンディング)限定の6種のクッキー缶

奥野
そうですね。僕も焼き菓子を担当するのは初めてだったので、最初にいろいろなクッキーを買ってきましたね。

山下
みんなで食べたね。

奥野
こんなに違うんだと改めてわかりましたよね。

山下
「これの何が美味しいと思うか」って点数をつけてね。あれ、よかったよね。僕は「エーグルドゥース(東京・目白)」さんとかめちゃくちゃ好きでした。

奥野
僕は「アテスウェイ(東京・西荻窪)」さんが美味しかったです。

山下
世の中の焼き菓子を食べ比べて、パティシエチームみんなで評価して感想を言い合うなんてことをするのは初めてだったじゃない?

奥野
そうですね。「本当に美味しいクッキーってなんだっけ?」という話し合いから始まりましたね。

山下
予約困難とも言われるお店のクッキーも取り寄せたけど、全然ピンとこなかったりしてね。……あれ?そう思わなかった?(笑)

奥野
ええと(苦笑)確かに、自分たちならもっと美味しくできるかも、というのはありましたね。

山下
その経験を経て、Minimalらしく美味しいクッキー缶の中身の定義が少しずつ固まっていきましたよね。

今回、Makuake(クラウドファンディング)で先行販売したら、めちゃくちゃ高い評価をいただき、研究した甲斐がありました。

奥野
X(旧ツイッター)でも、嬉しいお言葉もいただいていますね。

山下
嬉しかったですよね。

 

“作品”ともなりえる「ディアマンショコラ」

山下
今回、やっぱり適切に「手間をかける」ってことが本当に大事だなと痛感したんですね。要は、素材とレシピと手間の掛け合わせなんですけど、いかに美味しいものを造れるかに挑戦したいんです。

奥野
クッキーの食感や口どけにはこだわりたかったので、そこに最後まで粘れたのとMinimalの特徴を出せたところはよかったかなと思っています。

山下
ゼロから新しいお菓子を発明しようとしたら「イノベーション」だから大変だけど、今回は僕らのやり方でカカオ豆を使って既存のお菓子を「再構築」できるかってことだったから、奥野くんには自信を持ってほしいんだよなあ(笑)。めちゃくちゃ大変なことに挑んでいるんだから。

奥野
ありがとうございます。

山下
6種のチョコレートクッキー缶の中では、僕はやっぱり「ディアマンショコラ」が一番いいなと思ってます。

奥野
開発で一番最後まで微調整を繰り返しましたね。
一般的にはココアパウダーを使うことが多いのですが、きちんとチョコレート(フィリピン・ハイチ・ガーナ産のカカオ豆のブレンド)を練り込んで焼こうとしたので手間はかかりました。カカオ豆の風味がしっかり出ているところは、Minimalらしい特徴を出せたかなと思ってます。

山下
けっこう新感覚じゃないかと思うんですよね。クッキー生地をかじった最後にじゅわっとチョコレートが溶け出すみたいな感じで。あのあたり、かなり細かくやりましたよね。

奥野
食感と味わいのところですね。口どけは粉の配合をちょっと変えただけで大きく変わるので何回もやりましたね。

山下
あれって奥野くんの開発のスタートが遅かったって話じゃないの?(笑)

奥野
いや、そうじゃないです(笑)。焼きの温度と時間もすごいいろいろ変えてやり続けましたから。

山下
厚みもいろいろ試してたよね。

奥野
やりましたね。

山下
チョコレート専門店のディアマンショコラとして他にはなかなかない新しいものができたと思います。お店としての一つの「作品」と呼べるものになったらいいですね。
クッキー缶の詰め合わせだけでなく、個別の商品として売りたいですね。

奥野
まだそこまで製造の余裕はないですかね……(苦笑)
しっかりと製造体制を整えて、いつか個別でもしっかりと売りたい商品だと思います。

 

チョコレートクリームパンの、幻のネーミング

山下
この1年を振り返ってどんなことが一番記憶に残ってますか?

奥野
やっぱり商品開発ですね。
「自分の経験を活かした商品をしっかり作りなよ」と山下さんから話をいただいて、 チョコレートクリームパンを出すことが決まりました。「このお店の顔になりえるものを」と考え、Minimalのお客さまにとって何が嬉しいのか?ということですごい悩みましたね。

山下
今「このお店の顔になりえる」という話が出たんだけど、僕はやっぱり「人」だと思ってるんですよ。

Minimalでは店舗ごとに新業態の開発を手がけてますけど、じつは僕個人としてはそのつもりはなくて、「そこにいる人の個性が業態になればいい」と思ってるんです。「Patisserie Minimal 祖師ヶ谷大蔵」はパティシエである奥野くんと山田さんの個性があってこそだし。「人ありき」で、みんなの個性を活かして店づくりをするのが一番いいと思うんです。

それで、奥野くんの個性は何かというと、ブーランジェリー出身のパン職人なわけだから、このお店にパンが1個あってもいいんじゃないかと思ったんですよね。

山下
ちなみに「Minimal“The Day”」って名前は僕が考えたけど、ほんとはネーミングも自分で決めてほしかったなあ。

奥野
じつは考えていたんですよね。

山下
え!そうなの?……なんて名前?

奥野
いや、やめときます。

山下
なんでだよ(笑)。「オクノパン」とか、そういうこと?

奥野
違います(笑)。
「クラウドナイン」という積乱雲を意味する英語を考えてたんですけど、「この上なくハッピー」みたいな意味があるみたいで、好きな響きだったので。

山下
いいじゃん!次の新作、それにしようよ(笑)。シュークリームの名前とかね。
やっぱり、こういうふうに作り手の中から出てくる思いで商品開発が始まるのがいいですよね。

 

お客さまと"近い"新店舗

山下
新店舗ができて3ヶ月になるけど、お店や外からガラス越しに工房が見えるのはどうですか?

奥野
白金の工房とはまったく違うので、自分の見え方を気にするようになりましたね。

山下
お客さまから「見られる」っていう意識がチーム全体にあると、大きな成長になると思うんだよね。
工房併設だから、ときどきお店に顔を出したりもしてるの?

奥野
いや、あまりできてないですね。

山下
せっかくだからお客さまと話してみたらいいんじゃない?

奥野
そうですね。

山下
お客さまもきっと喜んでくださると思うんだよなあ。この記事をご覧になった方は、ぜひスタッフに話しかけて工房から奥野くんを呼んであげてください!(笑)

奥野
よろしくお願いします(笑)


代表・山下とシェフ・奥野の対談は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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