今夏の季節限定「生ガトーショコラ -ミント-」の開発秘話を、商品開発担当の山田が語ります。
猛暑の夏に、冷んやりクールなガトーショコラを
今年はもうすでに暑いですね。(6月某日)
そんな暑さに対抗するような清涼感がほしいという気分で、去年に引き続き、東京・田無にあるハーブ園「ニイクラファーム」さんの天然ミントを使った、爽やかな生ガトーショコラを造りました。
“チョコミント好き"の方の意見を参考に、去年よりもミントの清涼感を強くする配合
去年は「チョコミントがお客様にどこまで受け入れられるか」が手探りだったところもあり、6段階ほどのミント強度を試して上品な風味のレベルを選んだのですが、今年は去年のレベルに比較して1〜2段階くらいミントの清涼感を強める配合にしています。
これは昨年のミントを使った生ガトーショコラをチョコミント好きの皆さまにお召し上がりいただいた際、もう少しミントの清涼感があっても良いという意見をいただいたことから今年改良した点になります。
今年もニイクラファームさん※の新鮮なスペアミント・ブラックペッパーミント・アップルミントの3種をブレンドしているのですが、配合のバランスを変えています。
※ニイクラファームさんへの訪問記はこちら
柔らかな香りや甘さのあるアップルミントを減らし、清涼感が強いスペアミントとペパーミントを増やすことで、スッとするメントール感を去年よりも感じられると思います。
ミントは茎と葉にわけて、風味と色合いを抽出しています。香料も着色料も使用せずに、ミント本来の魅力である香りと色を表現しています。
ハーバルなカカオ由来の香りを加える
去年は「HIGH CACAO」のチョコレートを使い、ビターなチョコレートとミントを合わせたのですが、今年はミント感を強めたので、チョコレートの方にも爽やかなハーブ感を足しています。
ナッツのような芳ばしい味わいの「NUTTY」風味のチョコレートをベースに、フローラルでハーバルなフレーバーのブラジル産カカオをブレンドし、ガトーショコラ生地だけでも清涼感を表現しています。
全体の風味としては、食べ始めはミントのスッとした爽やかな感じがきます。
その後、ガトーショコラやムースの中に入れているチョコレートチップで「しっかりチョコミント感」を感じてもらい、余韻でブラジル産カカオ由来のハーブのような香りがフワッと残るように設計しています。
ミントの香りをハーブの香りで強め合う
NUTTYフレーバーのチョコレートとハーバルフレーバーのブラジル産カカオの比率は、最終的にハーバルフレーバーのブラジル産カカオが多めに仕上がりました。
当初は、NUTTYフレーバーのチョコレートにハーバルフレーバーのチョコレートをちょこっと入れてほのかに香るくらいに抑えていたのですが、ミントの強い香りと同調するとブラジル産のハーバル感を見つけにくくなると思い、徐々に加えているうちにしっかりと風味を出す形に落ち着きました。
ミントだけのハーブティーよりも、レモングラスなどさまざまな種類のハーブが入っているハーブティーの方が香りが豊かで、結果的にミントの味わいも際立つことがありますよね。
そんなふうにチョコレートのハーブ感を高めることで、ミントもお互いに強め合い、際立たせ合うというイメージです。
また、ミントはミルクとも相性がよいので、今回は生地に全粉乳を加えています。味わいをまろやかに食べやすくしながら、ミントとハーブの香りを楽しめる、ちょっと他とは違う味わいを目指しました。
見た目のこだわりと、食べやすさ
去年からのバージョンアップでいうと、トップに載せていたパリパリとした薄いチョコレートチップを、今年はココアクッキーに変えています。去年のチップでは切り分けるときに割れやすく、崩れてしまうというお声をいただいたので、改良させていただきました。
また、トップに塗る透明なナパージュには、ブラックペパーミントを細かく刻んで入れていて、ちょっとした見た目のアクセントになっているかと思います。
天然ミントの「チョコミントアイス」としても
今回はしっかり冷凍された状態でも食べられる仕上げにしていますので、チョコミントアイスのようにもぜひお楽しみください。
おすすめは、少し分厚めにスライスして、冷凍状態でまずアイスのように召し上がっていただき、半解凍、完全解凍、と時間を経るごとに味わいの変化を楽しむ食べ方です。
冷凍状態は、アイスとしてミントの清涼感をしっかり感じられます。生地の中のパキパキしたチョコレートチップも固く冷やされているので食感も楽しめます。
解凍されるに伴い、チョコレートの香りを強く感じられると思います。ブラジルのハーバルな香りは、解凍状態の方が余韻がより広がると思います。
ガトーショコラのひと切れを時間をかけて味わう、素敵なひとときをお楽しみください。
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