【開発ストーリー】目を引く大胆なビジュアル。パティシエ片岡のアプリコット愛溢れる「ガトーショコラ ソフト -アプリコット-」ができるまで

2023.06.12 #Minimal's Story & Report

今夏の季節限定「ガトーショコラ ソフト -アプリコット-」(代々木上原店限定)の開発秘話を、商品開発担当の片岡が語ります。

ジューシーで甘酸っぱいアプリコットをたっぷり使用

片岡
昨年の夏にご好評をいただいた「アプリコット」を用いながら、アプリコットの取り入れ方やカカオ豆の銘柄などを大胆に変更した、全く新しいガトーショコラです。

今年はアプリコットをたっぷり使っているため、果実味や甘酸っぱさを十分感じていただけるので、チョコレートはしっかりカカオ感とチョコレートらしさを感じていただけるガーナ産カカオ豆を使ったミルクチョコレートを選びました。

また、昨年はパート・ド・フリュイを生地の中央に使っていて、カットしないと見えない構成でしたが、今年はトップにも載せ、涼やかでみずみずしい見た目を思いきって前面に出しています。トップに載せることで、光が入ると透明感のあるオレンジが映えるかと思います。

甘酸っぱさが凝縮された自家製のパート・ド・フリュイ

パート・ド・フリュイも工房でつくっているのですが、ピューレを煮詰める時間を微調整することで糖度を調整し、アプリコットの酸味は感じつつ甘味も十分感じていただける味わいに仕上げました。

カカオからチョコレートをつくり、パート・ド・フリュイをつくり、さらにそれらでガトーショコラをつくるのでかなり製造に時間がかかり、代々木上原店のみの数量限定販売とさせていただいています。

アプリコットのパート・ド・フリュイは濃厚な強い酸味が特徴で、そのフルーティな味わいを最初に感じてもらうことで、全体としてアプリコットのインパクトが印象に残るように設計しています。

チョコレート感をじっくり味わいたいという場合は、生地を先に食べて舌を慣らしてからでもいいかもしれません。

たとえるならばパート・ド・フリュイは「ショートケーキの苺」みたいな位置付けでしょうか。風味のカナメでもあるので、先に食べたり後に食べたり一緒に食べたり、“味変”としてもぜひ楽しんでいただきたいです。

酸味とバランスする、満足感のあるガーナ産ミルクチョコレート

片岡
ガーナ産カカオには、甘いスパイスの香りがあります。

今回はアプリコットのパート・ド・フリュイの酸味と合わせるので、甘味がありながら満足感も得られるようにミルクを加えています。生地の甘味を強くすることで、酸味と甘味のバランスをとりました。

一般のミルクチョコレートはけっこう重めの印象になりがちなのですが、Minimalでは軽めの印象でチョコレートに仕立てており、“ミルクチョコレートらしからぬ軽さ”のおかげで、バランスが崩れにくく、ソフトの食感にぴったりな味わいに仕上がりました。

ドライアプリコットとノワゼットプラリネで、味わいに奥行きを

片岡
生地の中央には、ドライアプリコットの果肉を入れました。

アプリコットの味わいを直接感じてほしいということと、パート・ド・フリュイの食感と、チョコレート生地の食感の違いを楽しんでいただけるよう、果肉の食感を挟むことで、スムーズな食感の変化になるよう計算しました。

また、アプリコットとミルクチョコレートという二種にさらに味わいの変化をプラスするため、ノワゼットプラリネ(キャラメリゼしたヘーゼルナッツのペースト)で、ドライアプリコットを包んでいます。

スパイス感とナッツのコクや甘味を足すことで、パート・ド・フリュイの酸味と甘味を和らげ、味わいに変化を加えています。

今回は、アプリコット(パート・ド・フリュイとドライアプリコット)の甘酸っぱさをメインにしていますが、食べる人によってはチョコレート(ソフト生地)の味わいの印象は1:1くらいに感じられるかもしれません。

パート・ド・フリュイを召し上がる順序によって印象が変わる面白さも含めて、いろいろな味わい方を楽しんでいただけたら嬉しいです。

 

※他のスイーツの開発ストーリーはこちら

#Minimal's Story & Report

← Previous
【Minimalと暮らす人 Vol.7】純喫茶「drip」店主/モデル、滝•••
Next →
「Minimal The Baking 代々木上原」4周年を記念して、さら•••