世界各地で生産されているカカオ豆は、おおまかに3種の品種に分けられます。
クリオロ種
「カカオ豆の原種」と呼ばれ、世界でも生産量が5%程度と言われている貴重な品種です。
病害虫に極めて弱く栽培が非常に難しいため、現在はベネズエラやメキシコなどでごく少量生産されています。豆の品質は良く、渋味や苦味の少ないマイルドな味わいで知られています。
※生産量については、1%〜10%まで諸説あります。
フォラステロ種
カカオ豆の生産量の約80%以上を占める、最もメジャーな品種です。
病害虫に対する耐性が強く、成長も早いため、カカオベルトの各地で生産されています。香りはやや弱く、苦味・酸味・渋味が比較的強いのが特徴です。
トリニタリオ種
クリオロ種とフォラステロ種の交配種です。
カリブ海のトリニダード島で自然交配によって生まれました。豆は良質かつ栽培も容易で、クリオロ種とフォラステロ種の良いところを併せ持っています。
その他にも「ナシオナル種(アリバ種)」という南米のエクアドルだけで生産されている希少品種や、それを改良した「CCN51」という独自の品種も知られるようになってきました。 しかし、カカオ豆の品種については未解明の部分も多く、今も研究が進められている最中です。
Minimalでも、日々チョコレートづくりを行いながら、同じ品種でも生産国や栽培方法などの条件により、味わいと香りが変わることを実感しています。
私たちはそれを“うつろい”と捉え、楽しんでカカオ豆に向き合っています。
同じ品種の“違い”を食べ比べてみるのも、チョコレートの新しい楽しみ方になりそうですね。