【開発ストーリー】「生チョコレート」ができるまで

2022.02.07 #Products

冬の定番商品「生チョコレート - ニカラグア-」に、この冬初登場のホワイトの「生チョコレート ホワイト -ガーナ-」。

濃厚なのにスッと軽い後味がご好評いただいています。

2019年の初回開発は清水、そしてこの冬(2021-2022年)の開発担当は奥野です。その開発の裏側や担当者おすすめのペアリングなどもお伝えします。

 


100パターン以上の試作から生まれた生チョコレート

生チョコレート

Minimalで生チョコレートが生まれたのは2019年です。

生チョコレートはさまざまなブランドから販売されているいわば定番の人気商品。そんな中で、他にはないくらい、“カカオの素材を活かした生チョコレート”を作りたいと開発が始まりました。

「生チョコレートは今までも何回も作ってきたので、自信がありました。」と語る清水が最初に作った生チョコレートを製造責任者の朝日に見せたところ、「クリーム感が強すぎる」「カカオの香りが出ていない」と言われてしまいました。

そこから、カカオの香りを最大限に生かした新しい生チョコレートの開発がスタートしました。

「今までパティスリーで働いてきた感覚だと、お菓子は味を重ねてクリーム感や甘さでリッチさを出すのが大切だと思っていましたが、Minimalでは全く別の考え方でした。」と語る清水は、まずはチョコレート生地のレシピに取り組みます。

カカオの香りはとても繊細で、カカオと砂糖だけというシンプルな組み合わせでも、シンプルな素材の料理ほど繊細なように、焙煎するときの温度帯や配合量の調整だけですぐに香りが変わってしまいます。

通常板チョコレートで販売しているものではなく、この生チョコレート用のレシピを完成させながら、チョコレート以外の材料も多くのパターンを試しました。

カカオと砂糖の組合せで10パターン以上、それ以外の原材料で10パターン以上、その配合量の調整で20パターン以上、最終的には100パターンを超えるようなレシピを開発し、完成したのが、口に入れた瞬間幸せが広がるような、濃厚な味わいを楽しめる一品。

カカオ豆由来のコク深い香りと豊かな余韻を上質に楽しめる、心地よい大人の生チョコレートです。

この冬はニカラグア産カカオ豆を使った生チョコレート

そしてこの冬、さらに目指す味わいに向け使ったカカオ豆はニカラグア産カカオ豆。この生チョコレートのために開発した豆です。

初回とカカオ豆は異なるもの、目指すべき味わいは同様、もしくは前回以上です。

Minimalでは決まった1人が商品開発するのではなく、チーム皆が商品開発を行います。今回も、初回は清水が開発しましたが、そのバトンを受け取って今年は奥野が「生チョコレート ホワイト」と共に開発に取り組みました。

ニカラグア産カカオ豆は、香りが特徴的で、もともと持つフレーバーはナッツのような味わいです。

その特徴的なフレーバーを最大限に発揮させるために、材料の配合を何度も調整しました。調整する中で、カカオの複雑な風味が立体的な味わいを醸し、甘さだけではないカカオそのものの魅力を感じていただける味わいが完成しました。

また、ニカラグア産カカオ豆は、重くない油も特徴で、また発酵感のようなコクを感じることができます。

飴がけナッツを思わせる味わいで、しっかりとしたチョコレート感やコクを感じることができつつ、軽い後味です。

おすすめペアリング

生チョコレートペアリング

・コーヒー(Switch Coffeeのホンジュラス・中煎り)
ホンジュラスはニカラグアの隣。中米同士の豆で合わせたペアリングです。
コーヒーにチョコレートの甘さが寄り添い、チョコレートの心地良い苦味が強調されて口の中に広がります

・泡盛(久米島の久米仙)
チョコレートのコク、香りが上がってくることで、味わいが明確化します。
泡盛の甘さが寄り添って香りが返ってくる。なかなかチョコレートに泡盛をあわせる機会はないと思うので、ぜひ興味のある方は試してみてください。

農家さんと共に

ニカラグア

「生チョコレート -ニカラグア-」に使っているカカオ豆は、この生チョコレートのためだけに、2週間現地で寝食を共にし、発酵・乾燥の工程を調整した豆を使っています。

商品に同梱されているリーフレットには、ニカラグアの原風景が印刷されています。カカオの豊かな香りを感じながら、ぜひ現地にも思いを馳せてみてください。

今回の生チョコレートに使用したカカオ豆のニカラグアは、2019年にJICAから採択したODAの案件化調査のプロジェクトでも関わっています。

また、2021年8月には「ファインカカオに向けた第1歩 ニカラグアカカオ農家によるチョコレート試食セミナー」をオンラインで行い、JICA、ニカラグアの農家、Minimalが参加。ニカラグアから届いたカカオ豆をチョコレートにし、実際に皆で試食しながら、カカオ豆の品質向上のためのフィードバックを行いました。

Minimalでは、プランテーションの名残があるカカオ産業のサステナブルな経済的自立を目指し、技術支援やフェアでエシカルな取引を行っています。

この冬初登場「生チョコレート ホワイト -ガーナ-」

今年は、ホワイトチョコレートもご用意しています。

甘いスパイスのような香りが特徴のガーナ産カカオ豆を使った、こちらもカカオの香りを豊かに感じ、濃厚ながら後味が軽く、口溶けの良い生チョコレートです。

ホワイトの生チョコレートには、カカオバターを使います。
カカオ豆には約50%のバター(油脂)が含まれており35度を超えた瞬間に固形のバターが溶け始め、それをカカオバターと呼びます。

通常無臭なものが多いカカオバターですが、Minimalでは自社でカカオバターを搾ることで、バターに香りが移り、それぞれのバターに個性が生まれます。また、手作りだからこそ油分の軽さを表現することができます。

このガーナ産カカオ豆から搾った自家製カカオバターには、バニラ、アニス、クローブのような甘い香りを感じます。

今回何種類かのカカオバターを比べましたが、一番特徴がわかりやすいのがこのガーナ産でした。甘いスパイスのような香りがあることで、生チョコレートにした際にも、香りの余韻を感じることができます。

カカオバターの産地が決まっても一筋縄ではいきません。同じガーナ産でも甘いスパイスの香りをもっているカカオ豆を慎重に選別していきます。イメージ的には10袋あったら、3~4袋程度が使えるものです。

カカオ豆は農作物で、例え同じ産地でも時期や収穫条件で風味は変わってきます。その変化の機微を捉えて、網の目細かく調整していくのが、Minimalのパティシエやショコラティエに求められることです。

こうして、バターが決まると、今度は配合を調整していきます。生チョコレートにしたときの風味をイメージながらつくっていく、全く初めてのホワイトチョコレート。ちょうど良い味わい、口溶けのために10回以上は試行錯誤しました。

そして完成したのが、ミルキーな口溶けと素材の香り豊かな生チョコレート。一般的に重くなりがちなホワイトチョコレートのイメージを覆す一品が完成しました。

クリームや砂糖の甘さを感じた後に、カカオのもつ甘いスパイス感のあるフレーバーへと変わっていく甘さの変化をお楽しみください。

おすすめのペアリング

ペアリング

・ラム酒
ラムと油分が寄り添って、ラムを使ったカクテル、ホット・バタード・ラムのようなイメージの味わいに。

・デザートワイン
デザートワインの甘さとホワイトチョコレートの甘さが寄り添って、相乗効果に。甘い香りがはなに戻ってくる。

他にも深煎のオーセンティックなコーヒーもおすすめです。合わせると、ミルクコーヒーのように楽しめます。

生チョコレートの開発秘話について、インスタライブでも開発・奥野と代表山下が語っていますので、ぜひご覧ください。

インスタライブはこちら

 

生チョコレート -ニカラグア-
商品詳細および販売情報

【価格】2,160 円(税込)
【内容量】1箱あたり:8粒
【販売店舗】オンラインストア、富ヶ谷本店、代々木上原店

ご購入はこちら

 

生チョコレート ホワイト -ガーナ-
商品詳細および販売情報

【価格】2,160 円(税込)
【内容量】1箱あたり:8粒
【販売店舗】富ヶ谷本店、代々木上原店

詳細はこちら

 

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