2019年バレンタイン・ホワイトデーシーズンのMinimalのシグニチャー商品である「Minimal Works : Flavor 2019」。
このWorksという言葉には私たちの特別な想いがあります。Worksは日本語で「作品集」という意味です。
常々、カカオ豆は産地の土壌や品種、そしてそこに向き合う農家さんのつくる一期一会の農作物であると感じておりました。そしてカカオ豆からチョコレートを造る職人はその思いを受け取りながら丹精込めてチョコレートに仕立てていきます。
農家さんや職人をアーティストやクラフトマンと捉えると、私たちの造るチョコレートを農家、職人がつくる“作品”と見立てるというコンセプトから、その作品であるチョコレートを集めたアートブックにしようと決めて、作品集という意味である“Works”と名付けました。
アートブックとして私たちの商品を設計しようと考えると従来のチョコレート商品では絶対に考えることがないような新たなチョコレートユーザーエクスペリエンスへと進化していきました。
作品集のテーマは「Flavor(フレーバー)」。選りすぐった7種!
アートブックや作品集にはテーマが大事です。
これまでMinimalは、Minimal Flightやシングルオリジンに代表される“産地側”にフォーカスした商品を提案してきましたが、アート作品として昇華させるものにするために、今回はより“職人側”にフォーカスをしようと決めました。
農家さんからバトンを受け取った職人がその個性をどう捉えて一枚のチョコレートとして表現するか。そう考えた際に、自ずと今回のテーマは「Flavor(フレーバー)」に決まりました。
年間で職人たちが造るレシピは3119レシピ。その中から選りすぐった7つの作品(チョコレート)を皆さんに紹介するアートブックが「Minimal Works : Flavor 2019」です。
7つのフレーバーは「ビーチコンポート」「ミルクチョコレート」「ローストナッツ」「ミックスベリー」「青りんご」「ドライミント」「白ブドウ」。
もちろん一切香料などは加えずカカオ豆の香りだけ表現しています。
作品の解説ページを付ける
チョコレートと言う作品は食べた時の感情が一番大事です。その体験をMAXに持っていくために、食べる前後の感情を掻き立てるようなその作品の解説ページを付ける事にしました。
ヒントは、美術館。まるで美術館を回るように感覚で作品を感じて、その補足を読む事でよりその作品への理解を深める。そのため、7つのフレーバーに対して1枚ずつ解説ページを設けました。
まずビジュアル的に象徴的な色を決めて、それぞれのフレーバーを連想される果物などの写真をいれました。
そこに文字情報として味の解説と造り方の解説、そして楽しみ方の解説を記載しました。
読みながら食べたて美味しさの理解を深めたり、ペアリングを誰かと楽しみその感想を共有するなど、ただチョコレートを食べるだけない体験を誘発して、その楽しみ方は無限大です。
作品集という読み物であることを「本」で表す
一目でアートブックとして作品集というコンセプトが伝わるために、大胆にチョコレートのパッケージを「本」にしました。
本棚においても本物の本と見分けがつかないようなシンプルな背表紙に。更には素材を大切にしている私たちの作品集なので、背表紙の紙はクロコ紙と言われるテクスチャーがある紙を選びました。
パッケージを開けると、解説ページがカラフルに連なっています。この連なりを目次に見立てて、感覚的にページをめくる動作を誘導して読み物として楽しめるようにしました。
ぜひ読書の時間をチョコレートと一緒に、チョコレートの作品集を読む時間にしてみてください。
職人の感覚をビジュアルに落とす
職人がチョコレートを造るときに真っ先にイメージするのはそのフレーバー。フレーバーは香りだけでなく口に入れた時のテクスチャーや口の中での味わいの拡がりをイメージしながら試行錯誤してレシピを仕上げていきます。
そのため、今回の各個包装はその職人のフレーバーのイメージをビジュアルに落とすために、私たちが自ら絵の具を調合して描いています。
職人チームからイメージを聞いて色を決め、テクスチャーを決め、凹凸や面積などの拡がりを決めていきました。何度も何度も職人たちと話して、たくさんダメ出しをされて一つ一つ納得がいくビジュアルになりました。
♯3はテクスチャーを表すために絵の具に砂利を混ぜるという手間をかけて表現しています。
職人の感覚をビジュアルに落としたビジュアルを見て食べて頂くと更に楽しい体験になると思います。
コンセプトが進化させる新しいチョコレート体験
アートブック、作品集というコンセプトで、これまでにない、唯一無二のチョコレート体験をお届けできると思います。
チョコレートが美味しい事はもちろん、お客様がその楽しみ方を拡げて頂くユーザーエクスペリエンスを設計することでMinimalとお客様、さらにはお客様と農家さんが近づいていけると最高です。
ぜひMinimalの職人の想いに触れる「Minimal Works : Flavor 2019」を手に取って体験してみてください。
Minimal Works:Flavor 2019「Inspired by Flavor 編」 from Minimal on Vimeo.
後編では、前編でご紹介した様々な仕掛けが完成するまでの裏話をたっぷりお届けします。後編はこちらからご覧ください。