【イベントレポート】チョコレート新作9種解説つきテイスティング2026

2026.02.03 #Event

Minimalが1年に一度発売する“職人達の作品集(Works)”。

2026年のテーマは「Experimental」(カカオ豆の新しい製法の実験)です。カカオの可能性を追求する実験作シリーズで、過去21作から9種を厳選しています。

Minimal代表でありカカオバイヤー山下が9種チョコレートの食べ比べ解説を行うテイスティング・ワークショップを開催しました。

当日のイベントの様子をレポートします。

チョコレート9種+製造過程7種で食べ比べ!

ワークショップは、Minimal工房に併設するオフィス内の特設会場で行われました。

参加を少人数に絞り、チョコレート好きの皆様にお集まりいただきました。参加者が女性より男性のほうが多いこともあるのが、チョコレートイベントとしては異彩を放っているかもしれません。

新宿で開催中の「サロン・デュ・ショコラ」会場からハシゴしてご参加いただいたお客様もいらっしゃいました。


 
Minimal代表・山下
“職人達の作品集”というテーマでチョコレート9種を食べ比べる限定セット「Minimal Works」を解説させていただきながら、ご一緒に食べていきたいと思います。

お手元には明らかに9種以上のチョコレートがあるのですが、最終品になる前の製造材料なども含めて今日は体験していただく予定です。

カカオの可能性を追求する実験作「Experimental」

山下
「実験」を意味する「Experimental(エクスペリメンタル)」というシリーズを、2019年から展開してきました。

エンジニアリングディレクターの朝日を中心に職人が年に数回「カカオの探求」を深め、実験結果としてのチョコレートを製品化しています。

非常に手間のかかる工程を手仕事で行うため、富ヶ谷本店とオンラインストアのみの数量限定販売になりますが、販売するとすぐに完売する幻の人気シリーズとなっています。

これまで21回販売した実験作から、今回は9種を復刻する形で「Minimal Works」としてまとめています。

Minimalは「素材を活かした日本的チョコレート造り」を行なっています。素材というのはカカオの魅力ですね。

じつはカカオだけで本当にいろいろなフレーバーがあります。イメージとしてはワインが近いですね。ワインの産地や品種や醸造によって多彩なフレーバーがありますよね。カカオにも、マンゴーやバナナやリンゴなど果実系のフレーバーが付いているものもあれば、ハーブやミントなどボタニカルなフレーバーが付いているものもあります。

「Experimental」は、そのフレーバーを最大化させる実験や、フレーバー同士を掛け合わせるペアリングの実験など、自由な発想で新しい手法も取り入れながらトライしてきました。

 

カテゴリ1_NUTTYの3つの実験

「Minimal Works」は、NUTTY(ナッティー)・FRUITY(フルーティー)・SAVORY(セイバリー)という大分類でカテゴライズされています。それぞれのカテゴリで3つの実験を行なっています。

まずはNUTTYからテイスティングしていきます。

山下
NUTTYとはナッツのようなまろやかな甘味が魅力のチョコレートですが、ナッツが入っているわけではないです。

カカオの持つ甘味と苦味のバランスによって「ナッツのような風味」が構成されるのですね。

NUTTYラインが、世の中のチョコレートと何が違うかという話をちょっとしたいと思っいます。

チョコレートの土台の味は甘さで、これはカカオの油分由来の甘さや糖の甘さやミルクの甘さがあります。

この土台の上にナッツのコクや苦味や香ばしさみたいなものが奥行きとして乗ってくるのがNUTTYなんです。

カカオの香りを活かしたチョコレートは土台の甘さだけの単調な味ではなく、複雑な細かい味がたくさん出てきます。それが口の中で次々に変化していくところが面白いと思っています。
 
▼NUTTYのテイスティングチョコレート

#13.1「甘味/苦味の振幅についての実験」
カカオ産地:ガーナ
 
#11.1「理想的な食感についての実験」
カカオ産地:フィリピン

+磨砕時間24時間のフィリピン産カカオのチョコレート

+磨砕時間48時間のフィリピン産カカオのチョコレート
 
#17.1「ミルクチョコレートについての実験」
カカオ産地:ハイチ

 

カテゴリ2_FRUITYの3つの実験

フルーツのような酸味を活かした爽やかなフレーバーが「FRUITY」です。果実のような風味や甘味と酸味のバランスで様々な表情を変えます。

山下
次はFRUITYです。酸味が魅力のチョコレートですね。

この魅力を整理すると果実のような爽やかな酸味と生の果実ではない後味や余韻が上げられます。

フレッシュな果実とちょっと違うチョコレートの果実感があり、その余韻に注目しながら実験を設計しました。

▼FRUITYのテイスティングチョコレート

#20.1「酸味の最大化についての実験」
カカオ産地:インド

+インド従来発酵豆のみで造るチョコレート

+インド二次発酵豆のみで造るチョコレート
 
#2.1「余韻の最適化についての実験」
カカオ産地:コロンビア
 
#18.1「ミルクチョコレートについての実験」
カカオ産地:マダガスカル

カテゴリ3_SAVORYの3つの実験

「SAVORY」はカカオが持つスパイスやボタニカルを総称し、特徴的な香りという意味でカテゴライズしています。NUTTYともFRUITYとも異なる、余韻の香りが魅力です。


 
山下
最後のSAVORYは「嗜好品」のジャンルになってきます。嗜好品というのは好き嫌いがはっきり出るものだと思っていますので、今日は皆さん慎重にいきましょう(笑)。

よく僕は「嗜好品は奥の細道」という話をするのですが、嗜好品の入口はたとえばワインのように間口が広いんですね。

しかし奥に行くと、たとえばシガーのように狭い細道になってきます。これは何かというと、入口は「酸味」で、奥に行くほど「渋味」になるんです。

酸味や渋味は人体に対して攻撃性があるので、拒否反応が出て当然なのですが、慣れてくるとむしろ癖になるところがあります。このSAVORYは渋味の枠組に近いんですね。

▼SAVORYのテイスティングチョコレート

#14.1「セイバリーの定義についての実験」
カカオ産地:ベネズエラ
 
#1.1「余韻の最大化についての実験」
カカオ産地:ブラジル

+ブラジル産カカオ豆の極浅煎りのみでお造りするチョコレート

+ブラジル産カカオ豆の浅煎りのみでお造りするチョコレート
 
#19.1「ミルクチョコレートについての実験」
カカオ産地:ガーナ

チョコレート好きの知的好奇心を満たすワークショップ

当日のワークショップでは、一つ一つの素材と製造工程について語り、テイスティングにおける口内変化の様子を詳しく実況解説する場面も。

製造工程のパーツ(チョコレート)を合わせて食べることで、最終完成品に込められた意図や意味が理解しやすくなっていれば嬉しいです。

参加者の皆様からは、積極的にご質問をいただきました。
「このチョコ、本当にイチゴが入ってないんですか!?」
「コンチング(磨砕)時間が短いものが、食感が柔らかいのはなぜですか?」
「テイスティングの方法として、舌の上に乗せるか、最初に歯で齧るか。どちらがいいですか」

代表・山下の解説を熱心にメモをとってくださる参加者の方もいらっしゃる、まるで私塾のような濃密なワークショップになりました。チョコレート好きの方の知的好奇心を満たすことができていれば幸いです。

ご参加くださった皆様、どうもありがとうございました。

2月もテイスティングワークショップを開催予定です。ぜひチョコレートの奥深い世界を探求しにいらしてください。
  
今後の開催予定

・開催日時:2026年2月7日(土)・2月14日(土)
 10:00~11:30/13:00~14:30/15:30~17:00
・開催場所:Minimal工房本社
 住所:東京都世田谷区経堂5-38-23 ダイアカラービル1階
 アクセス:小田急線 経堂駅・千歳船橋駅から徒歩およそ10分
 地図:https://maps.app.goo.gl/vo74p56844bVzAmE8
 ※Minimal店舗ではございませんので、ご注意ください
・参加費、お支払い方法:3,000円/お一人様(税込)
 ※イベント当日、現金またはPayPayにてお支払いください
 
・お申込:https://coubic.com/minimal/booking_pages#pageContent

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