カカオ豆を“刺身”で出す。
“引き算”の美意識
Minimalのものづくりの原点には、素材を活かす“引き算”の思想があります。
日本人の資質の一つに、素材の繊細な旨味を引き出し、季節のうつろいをきめ細やかに表現する感性があります。Minimalでは素材の個性を活かし、解像度を上げていくことで、今までと違うチョコレートを実現したいと考えました。「カカオ豆を刺身で出すと、どうなるのか」という着想です。
そして生まれたのが、ザクザクした食感の板チョコレートです。素材の香りを活かすには豆の粒子を加工しすぎず(砕きすぎず)、粗挽きのまま仕上げることです。さらに、余分な調味料を添加しないこと。
Minimalが板チョコレートをカカオ豆と砂糖だけで造るのはそのためです。まるで生魚に包丁だけを入れて、醤油で刺身にするように。
固形チョコレートが生まれて約150年。西洋発のチョコレートが植物油脂や香料や乳化剤などの“足し算”によって味を組み立てていく手法に対し、日本人のきめ細やかな目線で再構築する“引き算”のチョコレートが生まれました。
素材に向き合うために、農業に向き合う
素材であるカカオ豆は想像以上の熱帯のジャングルの中にあります。
良質なカカオ豆を求めて農園まで訪ねて行く中で、その環境の中で自然と向き合っている農家さんへのリスペクトが自然と芽生えました。
カカオ豆についてより深く理解するには、生産現場である農業を知るべきだという考えが次第に大きくなり、沖縄・宮古島の自社研究農園でカカオ豆の実験栽培を始めました。
たくさんの試行錯誤を経て、開始から3年でようやく初収穫に至りました。
商品流通に乗せるよりもまずはカカオ農家さんと対等に向き合い、「より美味しいカカオ豆を作るには農業をどう改善すればよいか?」という質問にきちんと回答するため、農業へのリスペクトをこめ、栽培・発酵の学びを深めていきます。
職人気質の生産者がつくる、こだわりの国産素材
チョコレートスイーツの商品開発を行う際に、カカオ豆と同様に“スイーツに合わせる素材”も深く知りたいと考えています。
そのため、可能な限り生産者の皆さんから直接扱わせてもらえる、こだわりの国産素材を積極的に採り入れています。日本には素晴らしい生産者さんが多く、全国の産地を訪問して生産者のお話をうかがうたび、職人気質のきめ細やかなものづくりに胸を打たれます。
Minimalの製品を通して高品質な国産素材をお届けし、その魅力を堪能していただきたいです。