2024年10月・11月限定で、軽井沢プリンスホテルにてMinimalコラボレーションアフタヌーンティーが開催されます。
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コラボレーションを記念して、世界大会で優勝経験をもつシェフ・パティシエの長田和也氏に特別インタビューを行いました。
ーー長田さんのご経歴をお聞かせいただけますか?
はい、21歳でパティシエになりました。
一番最初の就職は名古屋にあるホテルのオープン時でした。
そのときはお菓子作りというよりも細工ものが大好きで、23歳の時に出場した内海会ジュニア技術コンクール飴細工では優勝することができました。
ーーその後、数々のコンクールや世界大会でも優勝※されていますよね。
※受賞歴
2003年 全日本洋菓子技術コンクール 農林水産大臣賞
2004年 ジャパンケーキショー グランプリ受賞/味と技のピエスモンテ部門 優勝
2006年 クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー 日本予選/氷彫刻とアントルメグラッセ部門 優勝
2007年 クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー フランス大会 リヨン 日本代表 総合優勝(当時世界最年少受賞)
はい。優勝できたのは、厳しい先輩方がいっぱいいて、良いところも悪いところも全部指導してくれたからこそいい方向に自分を持っていけたんだと思います。
また、当時勤めていたホテルの中でもコンクールに出場できる人の選抜があり、松島シェフ(当時勤めていたホテルの製菓料理長)から「品評会があるよ」と声をかけてもらえるかどうかも大きかったです。
コンクールにでたいとはずっと言っていましたが、今思うと、日常の仕事や姿勢、考え方やシェフとのコミュニケーションなど全ての行動が、松島シェフからの声掛けにつながっていたのかもしれません。
ーー賞を獲った後の変化はいかがでしょう?
変わりませんね。変わらないように松島シェフに指導されていて、それで天狗にならなくて良かったんだと思います。
2016年にプリンスホテルに入社してから、ようやく自分がやっていくぞというモチベーションに変わりました。でも松島さんがいなくてほっとかれていたら、僕は多分腐っていたと思います。
ーー素晴らしい師匠に出会えたということですね。
そうです。それだけですね。だから僕はそっち側になりたい。
長田和也に出会ってからなんかやる気が出てきて、世界大会目指しました、と言われるぐらいの人になりたいです。
ーー世界一になってからも発見や学びはありますか?
世界一になってからの方が発見がある気がします。
正直言うと、僕は世界チャンピオンっていう器の人間ではないから、タイトルを取った以上、自分をそこに持っていかなきゃいけないっていう自覚を持つことができました。
そこから勉強して色んな人と話して、そういう考え方でケーキを作るんだと、様々なことを学べました。だから僕はいつお菓子の勉強しても全然遅くないから、まず若い子達には技術をたくさん学んでほしいと思います。
ーーそうですね。
若い人じゃないとやっぱり走れないじゃないですか。例えば飴細工なんてもう徹夜しながらやることもありましたが、そんなこと若いうちにしかできません。
技術を勉強して時間をかければみんなできるはず。自分に投資しない人間が、将来膨れあがるわけがないんです。
あと、コンクールに打ち込める子は、多分お菓子にその方向が向いても打ち込めるので、美味しいお菓子がつくれるんです。
ーー今コンクールに出場する若い人が減っているとききます。
そうなんです。だから、ここから盛り上げていくために、僕は今いろんな外回りをしてますね。
ーー改めて、26歳でクープ・デュ・モンドを獲るのは本当にすごいことですよね。
正直、今振り返った時どういう生活していたのか思い出せない部分もありますね。
でも残ってめちゃくちゃやっていた記憶はあります。休日はちゃんと休むか、あとは松島シェフの講習会の助手にいったりもしていましたね。
そう考えると、その頃は給料は技術を磨くために道具に全部費やして、 時間は松島シェフとの時間に費やしてましたね。
ーーたくさんお弟子さんがいる中で、シェフに時間を費やしてもらえる人って、やっぱり限られますよね。
そうですね。それは今だから思いますね。やっぱり人に尽くさない風呂敷も広げてもらえ ないので。
ーーその後、2016年に入られたプリンスホテルでは、シェフからのスタートですよね?
はい、1スタッフからのシェフ、さらに会社が違ったらシステム自体が全く違うので、小僧に戻ったかのように必死で勉強しました。
慣れるまでは全体の会社の仕組みだったりシステムをとにかく勉強しました。
ーー長田さんならではのお菓子の特徴を教えていただけますか?
なるべく素材にあまり手をかけないほうが好きですね。混ぜないとか。
例えばチョコレートだったら何種類もブレンドしたものではなく、1種類の魅力をどう引き立たせるか考えます。イチゴだったらイチゴをどう引き立たせるか。あまり混ぜずに素材の味を生かすように心掛けて作っているつもりです。
ーー元々そういった作り方をされていたのでしょうか?
いや 、違います。
軽井沢にきてから、農家さんとコミュニケーションを取ることが増えたことが大きいです。
農家さんは本当に一緒に組んでやらないと、どんどん高齢化していって継ぐ人がいないとか、問題がさまざまあります。
そんな中で僕たちがどこで助けられるかって言ったら、少し形の崩れたものでも使って、どんどん広めていくしかない。
ーー今回アフタヌーンティーで、Minimalのチョコレートを使っていただいた感想を教えていただけますか?
本当に僕はまずザクザクとした食感に驚きました。驚きの連続で、こんなにも味と香りも違うのかと。
正直そこまでチョコレートに関して注目していなかったし、触れ合うこともなかったんです。
でも今回産地だけでこんなに違うんだってびっくりして感動しました。
ーーありがとうございます。今回Minimalのチョコレートの特徴でもある、ザクザク食感も活かしてスイーツにしていただきました。
ザクザクはこのチョコレートの最大の特徴じゃないですか。それを薄めるわけにはいかない なと思ってそれを活かしてスイーツにしました。
あとはどこまでその味を引き立てることができるかっていうところだけですね 。
ーー逆にザクザクしてる点や、香りが強いために使いづらいことはないですか?
強すぎるというかしっかりしてるから、合わせる素材はまあまあ強いのを合わせてはいますね。
素材として本当に面白いと思います。
ーー好きなフレーバーはありましたか?
一番好きなのはNUTTYですね。
多分これはパティシエだからだと思います。ナッツ好きが多いじゃないですか。
ジャンドゥーヤのちょっとビターなもののように捉えて使っています。
ーーありがとうございます。味わいの複雑さについてはいかがでしょうか?
Minimalのチョコレートは、説明書きを見ながらだったらシンプルに受け入れられるんですが、何も見ずに食べたら多分複雑って感じますね。
「これはNUTTYだ」って食べると本当にそのままNUTTY。でも何も見ずに食べたら深い香りですごく考えちゃうような気がします。
だからシンプルだけどシンプルじゃないみたいな奥深い感じですね。
ちょっとやってみないと分からないけど、今後はボンボンショコラとか作りたい。
ーーありがとうございます。ぜひお願いします!
長田和也氏プロフィール
2016年 株式会社プリンスホテル(現:株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド)入社、
2022年より軽井沢プリンスホテル製菓料理長を務める。
2004年 ジャパンケーキショー グランプリ受賞/味と技のピエスモンテ部門 優勝のほか、2007年にはクープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー フランス大会 リヨン 日本代表として総合優勝の経歴をもつ。
スペシャルティチョコレートMinimalコラボレーション・アフタヌーンティー 概要
【料 金】1セット(2名さま) ¥12,000
【内 容】
・チョコレートタブレット6種
NUTTY/'Arhuaco/ HIGH CACAO/ CLASSIC/ FRUITY/ SAVORY
・スイーツ
「NUTTY」テリーヌショコラ/「'Arhuaco」ブリュレアルアコ/「HIGH CACAO」プリン
「CLASSIC」ムースショコラ/「FRUITY」トリュフショコラ/「SAVORY」シャンティココ
・セイボリー
スモーキーローストビーフバーガー/ドライフルーツ・ナッツ・チーズの蜂蜜スパイス風味
フォアグラ・グリオットチェリー・ピスタチオのミルフィーユ
【時 間】11:00A.M.~4:00P.M.(事前予約制)
【場 所】軽井沢プリンスホテル ウエスト「ALL DAY DINING LOUNGE/BAR Primrose」
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