バレンタイン季節限定商品「生ガトーショコラ 苺 -いちご家めい-」の開発秘話を、開発担当の奥野が語ります。
構成はシンプルに、素材はリッチに
奥野
毎年のバレンタインシーズンにご好評をいただいている苺を使った生ガトーショコラを、今年もバージョンアップさせて新開発しました。
特に力を入れたのが、香川県のいちご農家”いちご家めい”さんから特別に仕入れている苺「女峰」の味わいと芳醇な香りをきちんと味わえるよう、構成をシンプルに徹し、一つ一つの素材の質にこだわりました。
構成は、ガトーショコラ、苺ジャム、カスタードの3パーツです。
何度も悩みながら極限までシンプルに絞ったのですが、そのことで各パーツの風味が引き立ち、より素材自体の品質が大事になると考えました。
苺の酸味と、果実感のあるタンザニア産カカオを使ったチョコレート
奥野
主役に据える苺は去年に引き続き、香川県の「いちご家めい」さんの“女峰”を使っています。
大粒で香気と酸味をしっかり感じられる品種で、国内で1%ほどしか作られていない貴重な苺になります。
毎年取り扱わせていただいていますが、今年も香りと酸味が本当に素晴らしいと思います。
この苺の風味をしっかりと活かすため、苺の粒を残すように煮詰め、甘酸っぱい凝縮感のあるジャムに仕立てました。
チョコレート生地には、タンザニア産カカオのシングルオリジンを浅煎りにして使っています。
苺の酸味と寄り添い相乗効果を与える形で、フルーティな風味が特徴のカカオを選びました。カカオを浅煎りにすることで、まるでリンゴのような爽やかな軽い酸味を目指して焙煎しています。
また、サトウキビ由来の粗糖(ブラウンシュガー)を使うことで、よりコクのある味わいに仕上げています。
卵の甘みと旨味が濃厚な「宝玉卵」
奥野
今年、最も検討を重ねたのが、中央のカスタードでした。
試行錯誤を重ねてたどり着いたのは、バニラを効かせたストレートなカスタードです。ただし、カスタードに使う卵にはどうしてもこだわりたいと思い、埼玉県の養鶏農場「田中農場」さんの「宝玉卵」を選びました。
田中農場さんは、通常廃棄するカカオハスク(豆殻)を飼料用に無償提供するアップサイクルな取り組みを通して、継続的にお付き合いのある農場です。
去年の4月には富ヶ谷本店限定で宝玉卵を使った「カカオたまごのプリン」のメニュー開発も行いました。宝玉卵は、黄身が濃くて甘み、白身の弾力、後味のキレが感じられる高級品種です。ぜひ一度召し上がって、違いを感じていただきたい卵です。
その卵を使い、素材本来の甘みや旨味に加え、濃厚なコクが感じられるカスタードに仕上がりました。
実は、以前つくったラベンダーの香りを移したホワイトチョコレートから着想を得て、ローズマリーやハチミツを使うことも構想していましたが、やっぱり田中農場さんの卵の良さを存分に活かしたカスタードで挑みたいと思い、Minimalらしいシンプルな組み合わせに最終決定しました。
素材をていねいに扱い、リッチな満足感を
今年の「生ガトーショコラ 苺 -いちご家めい-」は、無駄を削ぎ落とし、苺の美味しさをしっかり感じられる一品になりました。
「いちご家めい」さんの苺のしっかりした風味、フルーティなチョコレート。「田中農場」の卵の濃厚な味わいにバニラを添えた、香りが多層的でコクのあるカスタード。
一つ一つの素材をていねいに扱うことで、去年にも増してリッチな満足感のある一品をぜひお楽しみください。
商品情報
「生ガトーショコラ 苺 -いちご家めい-」
価格:3,650円(税込)
販売チャネル:オンラインストア・代々木上原店