今夏の季節限定「生ガトーショコラ-マンゴー-」の開発秘話を、商品開発担当の奥野が語ります。
夏に新感覚な冷たいガトーショコラを
奥野
マンゴーを使ったガトーショコラは2年ぶりに商品化となりました。
「暑い夏に食べたくなる」ということを最重視して開発し、2年前も好評だった「半解凍」でアイスケーキのように食べられて、さらにより爽やかなガトーショコラを構想しました。
冷凍のままカットして冷蔵庫で30分~1時間ほど置いておくと、半解凍になります。
工夫したのは、そのときの固さです。ゼラチンで固める際の水分値を調整し、固くなりすぎないようにしました。ヨーグルトムースを使っているので、半解凍ならではのサクサクやシャリシャリした食感を味わっていただけます。甘さに加えてひんやりしたサワー感も新鮮に楽しめると思います。
また、冷蔵解凍を進めて「全解凍」にすると、甘さをより強く感じられるので「マンゴープリンのように楽しめる!」と言っていたスタッフもいました。その対比を楽しんでいただいても面白いと思います。
マンゴーの甘味と、サワークリームの酸味と、チョコレートの余韻
奥野
「暑い夏に食べたくなる」ために、「酸味」を加えて味わいとして軽くできないかなと考えました。
そこでヨーグルトとサワークリームの層を入れ込んでいます。マンゴーの甘味に加えて、サワークリームの酸味があることで、さっぱりと食べれるように設計しました。
チョコレート生地に使ったカカオは、マダガスカル産です。
ベリー系の果実感が特徴です。マンゴーにはよく酸味の強いベリー(赤スグリ)を合わせたりするので、そのイメージで合わせました。
生地に仕立てたときに、軽やかな果実感を感じながら、余韻にチョコレートの存在感が濃厚に残るという仕上がりになっています。
隠し味となるポイントかもしれませんが、トップにテカテカしたナパージュを塗っています。こちらにはライム果汁を入れており、少し方向性の違う酸味も加えながら複雑性を持たせています。
見た目の彩りのための試行錯誤
奥野
今回個人的にいちばん苦心したのが、仕上がりの見た目でした。
いかに「暑い日でも食べたくなるような爽やかさ」を表現できるかがテーマでしたので、マンゴー単体をトップに載せてみたり、ゼリーを作ってクラッシュさせて盛り付けてみたりといろいろと試しました。
次第に自分でもわからなくなってきて(苦笑)、同僚のパティシエ・山田に意見を求めたり、他のスタッフにも相談して、最終的に真ん中のヨーグルトとサワークリームの層をダイス状にカットしてトップに載せることで色味を整えました。
このダイスも、当初はジャスミン茶をミルクで煮出したり、レモングラスを使ったものも試したのですが、味がうまく決まらず、真ん中の層をそのまま使うシンプルな形に落ち着きました。
ただ甘いだけでなく、甘酸っぱい爽やかさを
奥野
今回のガトーショコラを食べていただきたいタイミングとしては、一番はおやつどきではあるのですが、暑い朝に食欲があまり湧かないときなどに一口食べて出かけるみたいな感じはいかがかなと思っています。
重たくなりすぎないようにできるだけ砂糖を使わないようにして、マンゴーの甘さを活かしています。
ただ甘いだけでなく、甘酸っぱい爽やかさを意識してレシピ開発しましたので、真夏でも食べ進めやすくなっていると思います。
ぜひ暑い日のお楽しみにお召し上がりください。
「生ガトーショコラ -マンゴー-」
【価格】3,650円(税込)
【販売チャネル】オンラインストア・代々木上原店
【販売期間】2023年6月6日(火)~7月末頃を予定
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