我々はなぜ、“都市”で“手づくり”するのか。
シティ・クラフトは、造り手と受け手の相互作用
本誌のテーマに掲げる「シティ・クラフト」という用語は、Minimalの造語です。
「新しいことを求める人々の感性や欲望と、卓越したものを造りたいという情熱が相互作用し、相乗効果を生み、世の中に新しいムーブメントを起こしていくものづくり」と定義しています。
お客様の近くにいながら刺激を受け、相互作用でブランドを進化させていくため、Minimalは人々が集い新しい価値観が生まれる“シティ”に拠点を置いています。
新しいカルチャーを起こすのはこの場所から
Minimalは東京・富ヶ谷という土地で創業しました。
奥渋と呼ばれるエリアでも最果てに位置する、閑静な住宅街です。スタイルのある個人経営レストランが集まり、新しいものを受け入れる懐の深さが土壌として根づいていました。
「新しいカルチャーを起こすのはこの場所から」という強い確信がありました。
新しいものに反応を示し、刺激を交感できるお客様の近くにいたこと、スタイルを持ち確かな品質と新しい価値観で仕事をしている仲間のお店があったことは、Minimalの10年の歩みを決定づける大きな方向性になったと考えています。
富ヶ谷から、世界へ
富ヶ谷でMinimalが認められれば、日本中・世界中のどこへ行っても通用する。
そう考えて創業し、10年が経ちました。世界最大級のチョコレート品評会(International Chocolate Awards/Academy of Chocolat )で89賞受賞(2024年時点)など世界的評価をいただきましたが、思い返すほどにこの都市のカルチャーに育てられたと考えています。
チョコレートの造り方一つをとっても、たとえば「酸を利かせて尖らせた仕上がりにしよう」とは発想しなかったかもしれません。
日々この街を訪れる人々と触れ合うことで「この試みは受け入れてもらえるだろう」と推し量ってきました。
これからも、お客様の一番近くにいながら、生産者の想いをお客様に届け、お客様の声を生産者に届け、常に前進していきます。