『UN GRAIN』昆布智成シェフインタビュー「仕事は楽しい」

2023.01.16 #Minimal's Story & Report

ひとつまみサイズの菓子“ミニャルディーズ”専門の、東京・青山にあるパティスリーUN GRAIN(アングラン)でシェフ・パティシエとして活躍する昆布さん。

2023年3月でアングランを卒業するという発表に業界もどよめきました。

Minimalでは、チョコレートを使ってデセールコースをつくっていただいたりと、ご縁がある昆布シェフ。

そんな昆布シェフに仕事の考え方や、Minimalのチョコレートを使ってみてのご感想を伺いました。

※Minimalのチョコレートを使った昆布シェフと中村シェフによる限定デセールコースについてのレポートはこちら

ーーーチョコレートでコースをつくってみていかがでしたか?

今回は中村シェフと共につくるコースだったので、パティシエとして参加している私は技術的なことをやりたいと思っていました。

彼は独特のおもしろいセンスなので被らないだろうと思いつつ、素材の加工などは中村さんはそんなにしないと思ったので、加工すれば彼とは差別化できそうと思い加工することを意識しました。

すべてのお皿に、カカオ・チョコレートを使用するコースは初めてで、重くなりすぎないデザートをつくれるよう気をつけました。

ーーー普段働く上で、どんなときに楽しさを感じますか?

昆布シェフ:
想像とリアルが一致したときが快感ですね。

正直、スイーツの世界で働き始めた頃は“お菓子をつくる楽しみ”を感じる余裕はまったくありませんでした。
でも、当時ダントツで美味しいと感じていたお店で働けていたことで、他の人が辛いと感じるかもしれないことも、まったく苦に感じませんでした。

例えば、リンゴの皮をむけるだけで楽しかった。どんどんむくのが早くなることが楽しかったんです。

ーーーただかなり厳しい環境だったのではないでしょうか?

昆布シェフ:
常に手を動かしながら次をシミュレーションしていて、スピード感や職場の緊張感、”職人とは”、などの基礎を一気に経験できたので、その後はどんなに辛いことも楽に思えるくらいでした(笑)あとは負けず嫌いだから続いたのかな(笑)

昔はそのように働いていましたが、今はやっぱり環境も働き方も変わりました。

今、特に楽しいと思える瞬間は「想像とリアルが一致したとき」ですかね。

ーーー日々つくるお菓子はどのように思いつくのでしょうか?

昆布シェフ:
昔は違いましたが、今はインプットはなるべくしないようにしています。自分がしたいことが曖昧になってしまい、自分でクリエイションするときに邪魔だなと感じています。

これは2年前くらいからですかね。特にSNSなどを開くと無意識に情報が入ってきてしまって、つくるときの足かせになってしまうと感じました。

美術館に行ったり、ライブに行ったり、全然違うことをする方が今は大事です。直接得るわけではないですが、インプットしている感覚になります。

ーーーお菓子をつくる際に気をつけていることはありますか?

同じものはつくらないですね。
変えていくところと変わらないこと、どちらも大事にしています。

 

シェフ パティシエ
昆布 智成(こんぶ ともなり)氏

1981年 福井県で230年の歴史を持つ和菓子店「昆布屋孫兵衛」の長男として生まれる。2006年、東京に拠点を置きオーボン・ヴュータンにてフランス菓子の基礎を習得。 その後「ピエール・エルメ サロン・ド・テ」に入社。2012年に渡仏し、南仏のパティスリー「リエデレ」でMOF(国家最優秀職人章)に師事しガトー・グラッセや地方菓子を学ぶ。その後、パリでは2つ星レストラン「ラトリエ ・ド・ジョエル・ロブション」でデセールを担当。2015年にアン グラン スーシェフ パティシエとして入社し、2019年4月よりシェフ パティシエに就任。

 

Minimalではスイーツやデザート、料理などにもお使いいただける材料用のチョコレートをご用意しております。お気軽にお問い合わせください。

https://mini-mal.tokyo/pages/contact-wholesale

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引き算の哲学から生まれた、
新しいチョコレートのおいしさ

余分なものを引き算し、
カカオそれぞれの風味を引き立てる。
素材と真摯に向き合うことで生まれた
新しいチョコレートの体験を。

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