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1本100万円(!)”ロマネ・コンティ”が高い理由  新タブレットレポート -製法編-

製造プロセス・製法

April 20, 2018

 

何十万・何百万もの種類があって世界中で愛されるワインですが、世の中には1本100万円を超えるワインがあります。一体なぜなのでしょうか。

 

ワインの値段が決まるポイント

ワインの風味は、おおよそ『天・地・人』の3つのポイントで決まります。『天』とは天候や年、『地』は土壌や気候、素材であるブドウ、最後に『人』は栽培・製造のことを指しています。

 

それぞれのワイナリーは、彼らの伝統や製法のポリシー、そして目指す味といったフィロソフィーを基に、この『天・地・人』のすべてに対して総動員で最高の味を目指します。

管理できない天候の影響を日々コントロールしながら、その土地に合わせた最高のブドウを丁寧に栽培・収穫し、そしてその年年のブドウの状態に合わせた最良の発酵やブレンドを行って、熟成を管理することで、よりよい風味を目指してワインを作っています。

 

まず、『天』とは、その年の自然環境です。

ワインには、「あたり年」や「はずれ年」を示すヴィンテージチャートというものがあります。「あたり年」というのは、ブドウの生育にとって良い天候だった年のことです。 毎年「あたり年」で、最高のブドウが収穫されれば最高ですが、天候は誰にも管理することができません。では「はずれ年」のワインはおいしくないのでしょうか?実は、そういうわけではありません。

 

次に『地』ですが、栽培地の気候や土壌により、育つブドウは異なります。甘みが強いものや、渋みが強いものなど、品種によりさまざまです。 

最後に『人』。ワインを作るためには、畑を作ってブドウを栽培、収穫し、発酵、圧搾、熟成などを行います。

 

管理が出来ない自然を相手にするワイナリーは、その年の環境の中でベストを尽くして作られたブドウから、研鑽された技術や感覚を総動員して彼らのフィロソフィーにあった最良のワインを作り出します。先程、「はずれ年」のワインはおいしくないわけではないとお伝えしましたが、その理由はまさにこの「人」の技です。そのときのブドウに合わせて醸造していくため、決してはずれ年のワインがまずい、というわけではないのです。

出典 item.rakuten.co.jp

 

やはり最後は、素材の個性をどう見出し、引き出せるか。それにより味は変わってきます。

 

「天・地」より「人」が重要なのか、または「人」より「天・地」が重要か、という比較論は非常に難しく、同時に意味がないように思えます。ただ、「天地」と同等に「人」も大事というのは、間違いないことだと思います。

 

「ロマネ・コンティ」は、「天・地・人」全てを世界最高水準で満たして美味しさを作り上げただけでなく、ワインの価格決定で強い影響のある希少性(ロマネ・コンティは超少量生産です)や評価による「人気」を得て、1本でも100万円以上(!)が相場という驚くべき値段になっているのです。 

出典http://grand-cave.jp/

 

 

チョコレート、そして原料のカカオも、実は「天・地・人」で風味が決まります。今回はチョコレートの「天・地・人」について今月末から販売する商品の開発ストーリーと一緒にお話したいと思います。

産地によってカカオの風味は全く異なり、収穫する年によっても変わります。なのでMinimalでは、産地ごとにレシピを変えるのはもちろんのこと、同じ産地であってもその時のカカオでベストなチョコレートを作れるよう、レシピを調整し続けています。

 

実は、今回作っているコロンビア・シエラネバダ産のカカオも、去年と今年では特徴が異なっていました。 今年のカカオの特徴やどのようにレシピを作ったのか、エンジニアリングディレクター朝日にインタビューしました。

 

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エンジニアリングディレクター朝日が語る今年のシエラネバダカカオ

 

― まず今年のカカオの印象は?

以前のシエラネバダ豆の印象は、レーズンのような”ドライフルーツ感”とこんがりと香ばしく甘い”飴感”や”スパイス感”でした。一方で、今回の豆は色が少し薄めで、”凝縮感”や “香ばしさ” よりも、少し”フレッシュ感”を感じました。

 

― レシピへの影響は?

あります。 簡単に言うと今回は焼き方を浅くしています。

 

シエラネバダの豆はフルーティーさが特徴なので、これを引き出してあげるのは大前提です。先ほどの通り、前までは”ドライフルーツ” ”飴感” ”スパイス感” といった印象を受けたのでこれを引き出すレシピを作っていました。ざっくり言うと、やや強めに焼いていたという感じです。

フルーツ感は、酸味が要素のひとつです。酸は揮発しやすいので、焙煎を強くすると失われやすいので、フルーツティーさを引き出すためには、浅焼きにすることが多いです。コーヒーの焙煎と一緒ですね。

 

一方で”飴感” ”スパイス感” は、少し深めに焼くことで引き出される特徴です。

以前のシエラネバダ豆は、”ドライフルーツ” ”飴感” ”スパイス感”をトータルで楽しんでもらいたかったので、浅めと深めのバランスをとって焼くようにしていました。

 

―  今年が浅焼きの理由は?

カカオがフレッシュな印象でした。 試しに強めに焼いてみましたが、”飴感” ”スパイス感”などの香りはやはり感じられませんでした。また、フルーティーさも弱まってしまいました。 なのでやはりカカオ豆から感じとったフレッシュさを活かすことにしました。

狙った風味を例えるなら ”サルタナレーズン(緑色のレーズン)”の印象です。 仕上がりは”セミドライレーズン”のように、少しの凝縮感がありながらも基本的にはフレッシュな印象になりました。

― おすすめの食べ方は?

カカオはシーズンによってキャラクターが変わります。 品質の悪いものは仕入れないので、変化は「良し悪し」ではなく「特徴や個性」と思ってください。 今年の味は今年しか味わえません。

正確に言うと、日によって天気が変わり、発酵や乾燥の具合が変わるので、今日の味は今日しか味わえません。

ペアリングをするなら、渋さやカラメルといった印象は弱くクリアなので、白茶は相性が良いと思います。 あとは水出しコーヒーやカヴァのスパークリングワインなども良いのではないでしょうか。

 

農作物のカカオに砂糖を加えただけのチョコレートだからこそ起こる、変化や今年だけの希少さを楽しんでください。

 

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誰もが美味しいと口を揃えるワインを飲むのはもちろん贅沢で幸せなことです。

ただワインには、「天の個性」×「地の個性」×「人の個性」で生まれる、何十万・何百万通りもの個性的なワインがあります。『天・地・人』が生み出す無限のバリエーションの中から、自分の好みを探し出すのはワインの楽しさのひとつかもしれません。

これは、 チョコレートも一緒です。「天・地・人」それぞれでの創意工夫を経てつくられる無限にあるバリエーションの中から、お好きなチョコレートをみつけていただけると嬉しく思います。

 

 

 

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コロンビア・シエラネバダ産のカカオのチョコレートは4月25日から各店100枚限定で販売していましたが、予定より早く各店で完売してしまったため、追加製造が決定しました。オンラインショップではこのチョコレートを含む食べ比べ4枚セットをご用意しています。プレゼントのマグカップもお付けしておりますので、この機会にぜひご賞味ください。

 

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