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構想2年! Minimal初のチョコレートケーキの開発秘話をパティシエが語り尽くします!

商品・開発秘話

December 04, 2017

Minimal初のクリスマスケーキが予約開始しました!

 

 

フォークを刺すと、ずっしりしたチョコレート生地の凝縮感。
一口食べると、きっと驚きがあります。白ブドウのようなフルーティな香気と濃厚なチョコレートの味わいが広がり、ブランデーやリキュールを入れたような芳醇な香りも漂います。クリスマスシャンパンと合わせたくなる大人のスイーツができました。

 

Minimalでは「シングルオリジン・クリスマスケーキ」を限定発売いたします。
使用したカカオは1種類。Minimalが扱う銘柄の中でも最高品種のコロンビア産「FRUITY BERRY-LIKE」。インターナショナルチョコレートアワード2017 World Finalの出品カテゴリーにおいて日本初の金賞を受賞した、話題の一品です。

 

ケーキに用いる素材は、カカオ、砂糖、卵、コーンスターチのみ。
小麦粉を使わず(グルテンフリー)、人工香料もリキュールも一切使用せず、できる限り「ミニマル」な材料でありながら、贅沢に素材本来の味わいを楽しめるケーキに仕上がりました。

 

商品開発を担当したMinimalのパティシエに、新作ケーキの開発秘話を語ってもらいました。

 

2年前の、幻のクリスマスケーキ。

 

山田パティシエ

じつはクリスマスケーキは、2年前に一度、開発していたんです。
でもそのときは、私自身がまだ「カカオ」という素材を全然使いこなせていなくて、一般的なショコラティエがつくる一般的なケーキという感じに仕上がってしまいました。

 

———一般的なケーキというと?

 

山田パティシエ

カカオを何種類も混ぜていて、ロールケーキやブラウニーも混ぜていました。カカオの違いも全然分かっていなかったですし、それを焼いたらどうなるのか、他の素材と混ぜたらどうなるのかということも分からず、ごちゃごちゃと使っていました。

 

———それでも美味しかったんじゃないですか?

 

山田パティシエ

いえ、今にして思うとそれは美味しくなかったと思います(笑)。
あと、当時「ワールドビジネスサテライト」に出させていただいた反響がとても大きく、板チョコレートの在庫が足りず、24時間全員で工房を回しても毎日欠品が続くという状況でした。
「板チョコレートの製造を止めてでもこのケーキをやりたいのか」と朝日(製造責任者)に詰められて(笑)、2年前のケーキ開発は中止になりました。

 

板チョコレートを「チョコレートケーキ」にする。

 

———では、今回は2年越しのリベンジですね。

 

山田パティシエ

はい。「板チョコレートを食べるのと同じくらい香りを楽しめるチョコレートケーキ」という山下(代表)からのオーダーがあり、私の中ではクリスマスらしい“華やかな”印象のケーキを作りたいと思っていました。
3種類くらいのお豆で試しながら、最初は「ザッハトルテ」のようなコーティングや部品をイメージしていました。

 

———究極にミニマルな完成品のイメージとはずいぶん違いますね。

 

山田パティシエ

そうなんです。パティシエは、どんどん「足し算」してお菓子を作るのが普通なので、今までの経験からいろいろな材料を足してバランスを取りたくなってしまうんです。
でもMinimalの場合、それをやればやるほど、Minimalの良さが薄れていくんですね。

 

———どういうことですか?

 

山田パティシエ

Minimalのチョコレートが、普通の素材と違うのは「香り」が強いのでそれをきちんと残せないと良さが出ないというところです。
他社のクーベルチュール(チョコレート加工原料)は、お菓子として加工して美味しくなるように作られているため使いやすいのですが、Minimalは板チョコレートが完成形になっているので、そこから手を加えるほど香りが失われていきます。
砂糖とカカオだけでMinimalの板チョコレートは完成しているわけで、そこに何かを足してスイーツにして、「板チョコレートと同じくらい変化を楽しめる」とか「特徴を感じられるようにする」のは、そもそもかなり難しいんです(笑)

 

———なるほど。

 

山田パティシエ

だから、いつも最初に1回すべてを足して作ってから、どんどん引いていくという作り方をしています。まずはパティシエとして自分が経験してきた「美味しいレシピ」に当てはめてみてから、何が合わないのかを探るんですね。
「これが余計だから抜いてみよう」「この材料じゃなくて別のものに替えてみよう」とやっていくと、最終的に全然違うものにたどり着くことが多いです。
そして、材料は必ず「最小限」に落ち着きます。

 

———「足し算」したあとに「引き算」していくんですね。

 

芳醇で香りが驚くほど豊か!特別感満載なアルアコ産カカオ豆。

 

山田パティシエ

今回、じつは個人的には最初からコロンビア産・アルアコのカカオ豆を使いたいという思いがありました。
白ブドウのようなFRUITYな香りが絶品なところと、希少品種で、Minimalの中でも特別な位置付けの銘柄でした。スタッフの中でも「これだけは別格で好き」という人が多いんです。
今年、8ヶ月にわたって富ヶ谷本店で月替わりスイーツをつくってきたのですが、アルアコは一度も使いませんでした。今回のように「ここぞ」というところまでとっておきましたので、満を持してのアルアコです(笑)。

 

———リキュールを入れたかのような芳醇な香りは、アルアコ産のカカオ豆の素材そのものの味だったんですね。

 

山田パティシエ

この「香り」を焼き菓子でいかに出せるかが一番の難題でした。
火を入れるお菓子は、香りが飛んでしまう難しさが常にあります。温度帯は何種類も試して、低温でじっくり長い時間をかける「湯せん焼き」という方法を採りました。

 

———高温で普通に焼いてしまうと、香りが飛んでしまうのですね。

 

山田パティシエ

そうなんです。
あとはたとえば、当初の生地はもう少しスポンジっぽいものでした。そういった生地を作るには小麦粉やバターを入れることになります。でも、そうすると生地にチョコレートの味を出そうとしてカカオを入れたときにちゃんと焼けなかったり、膨らまなかったりします。
チョコレート生地を作る際には、チョコレートの割合の最大値というのがあるのですが、それを越えて入れてしまうとそのお菓子としては成立しなくなるんですね。

 

———そういうものなのですね。

 

山田パティシエ

Minimalの場合、独特の香りを残そうとすると、チョコレートをかなり多めに入れる必要があります。そうしないと「ただのチョコレートケーキ」になってしまうんですね。「チョコレートケーキ」としてはそれでも美味しいのですけど、わざわざMinimalのチョコレートを使う必要がないなと思ってしまうんです。
そんな試行錯誤をした末、小麦粉もバターも全部やめて、困難でもチョコレートの香りを活かす方向に舵を切りました。

 

 

カカオは、パティシエ人生で最大に難しい。

 

———そうして原料が、カカオ、砂糖、卵、コーンスターチの4種類というラディカルなケーキにたどり着いたのですね!(笑)

 

山田パティシエ

通常のケーキであれば10種類以上の材料は使いますので、4種類でつくるのはかなり少ないと思います。山下(代表)からは「コーンスターチも削れないの?」と言われたのですが、ケーキとしての膨らみや保形性を考えるとそこはどうしても必要でした(笑)。

 

———余計な素材が一つもないから、香りがダイレクトに届くのですね。

 

山田パティシエ

アルアコの香りのリッチ感はうまく出せたと思います。
カカオは、他のものとの相性によって香りが一瞬で消えてしまうことがあるんです。
たとえば、コロンビアのカカオ豆によく合う材料があったとして、それをベトナムに合わせてみると打ち消してしまうようなことがたくさんあります。
今回の材料は、アルアコの香りを消さずに出してくれる相性でした。たとえばですが、これにバターを少しでも足せばアルアコの香りは消えてしまいます。

 

———カカオ豆はそんなに繊細な素材なんですね。

 

山田パティシエ

カカオは、素材としては私のパティシエ人生最大に難しいです(笑)。
「こんなに自分にできないものがあるんだ」と驚いています。本当にびっくりするくらいイメージ通りにいかないことがありますので。

 

———今までやってきた方法が通じないというのは、無力感を感じませんか?

 

山田パティシエ

全然感じます!!(笑)
私、パティシエをやっていて最近10年くらいは人から「美味しくない」って言われたことがなかったんですけど、試作段階では普通に言われますし、自分でも思いますから(笑)。

 

———仕入れ時期によって、カカオの味が変わる難しさもありますよね。

 

山田パティシエ

そうなんです。いよいよケーキのご予約受付が始まりましたけど、カカオ豆の調整はギリギリまでやると思います。決まったレシピはあるのですが、その通りにやればいいわけではなく、その都度素材の状態に合わせていくことになると思います。
クリスマスケーキ(全100個)は、すべて手作りしていきますので、ぜひ出来上がりを楽しみにしていただきたいです。

 

 

ぜひ電子レンジで15秒加熱してみてください。

 

———ご自宅でケーキを召し上がるときに、オススメの食べ方はありますか?

 

山田パティシエ

ケーキは焼き上がりのカカオの香りがものすごく良いので、おうちでも少し温めていただけると、香りがふわっと膨らんでとっても美味しいと思います。
500Wの電子レンジでしたら、15秒くらいの加熱で十分です。やりすぎると形が崩れてしまいますので。

 

———何かペアリングする飲み物でオススメはありますか?

 

山田パティシエ

個人的にはクリスマスシャンパンと一緒にぜひ召し上がっていただきたいです。
今回のケーキは材料が非常に限られていて「つなぎ」のようなものがないので、ケーキが少しポロポロとほぐれてしまいますが、どの部分を食べても香りをしっかり感じていただけるので、むしろそのかけらを少しずつシャンパンと一緒に味わっていただけるといいかもしれません。

 

———ホットワインにも合いそうですよね。

 

山田パティシエ

いいと思います!
あとは、お好みでシナモンのようなスパイスや、ベリー系や柑橘系のフルーツを添えても、香りが引き立ち、変化をお楽しみいただけると思います。
ぜひ、Minimalの手作りケーキで今年のクリスマスをお楽しみください。

 

 

商品概要

「Minimal Single Origin Christmas Cake」
・予約開始日:12月2日(店頭・オンラインショップ受付)
・お受け渡し:富ケ谷本店のみ(12月22日-25日をご指定ください) ・限定数:100個
・価格:5,400円(税込)
・サイズ:直径12cm

商品ページへ(オンラインショップ予約分、追加しました)

 

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