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トークセッション:Minimal×丸山珈琲 『チョコレートとコーヒーの不思議な関係』後篇

コラム・レポート

March 03, 2017

 

後篇「新しい価値観の提示という挑戦の苦闘」

ペアリング新商品「Coffee with Chocolate Set」の発売を記念して、丸山珈琲西麻布店にて、弊社Minimal代表・山下貴嗣と、丸山珈琲代表・丸山健太郎氏のトークセッションを開催いたしました。

トークセッション全文掲載の後篇は、両社が切り拓いてきた新しい価値観への苦闘の歩みに話がおよびます。

 

 

口溶けをなめらかにしないチョコレート。

丸山代表

Minimalさんがチョコレートをザクザクにしている理由って何かあるんですか?

 

山下

先ほどのカカオの粒の中に「香りの素」があるんですね。

山下

一般的なチョコレートは口溶けが大事だと言われていますので、石臼みたいなもので24~72時間くらいすり潰しています。そうするとザクザクがなくなり口溶けもなめらかになるんですけど、同時にそれは「香りの素」をすり潰してしまうので、香りが飛んでいってしまうんですね。

僕らはなるべくその香りをそのままお届けしたいと思っているので、結果的にザクザクを残しています。

 

丸山代表

開発当初は「これって失敗作じゃないの?」って言われませんでした?

 

山下

あまり大きい声では言えないのですけど、チョコレートの世界の諸先輩方からは邪道だと(笑)。

 

丸山代表

なるほど(笑)。そういえば思い出したのですが、丸山珈琲もフレンチプレスという淹れ方をしているのですけど、2001年当時、同じようなことを言われました。何を言われてもやり続けたので、今はコーヒーの教本みたいなものが出ると、最後にちょこっと載せていただけるようにはなりました(笑)。

お客様の反応はどうでしたか?

 

山下

じつは、うちに来ていただけるお客様はこの「ザクザク」を気に入っていただけることが多いんです。新しい食感ですし、何回か食べていただくと「香りが戻ってくる」「余韻がどんどん強くなる」という感覚を面白いと言っていただけることが増えてきました。

それでなんとか心が折れずに続けています(笑)。

丸山代表

今回の開発では途中で口溶けなめらかなものも試しましたよね。

 

山下

なめらかなもののほうが飲み物と合わせたときにはいいんじゃないかということで、数十パターンくらい作ってみました。香りを強く残しながら、なめらかに食べられるほうがコーヒーにとってもいいんじゃないかと思ったんですが、今回は最終的にはザクザク感を残したものが採用になりました。これは、もう、丸山代表の鶴の一声で「Minimalが一番美味しい状態で出すべき」と言われまして……

 

丸山代表

そんな良いこと言いました?(笑)

 

山下

言いました(笑)。丸山珈琲さんの技術力の懐の深さに頼れるので、やはり僕らは僕らのベストな状態でチョコレートを作ろうと考え直しました。

 

丸山代表

だんだん思い出してきました。私、出張中で、うちのスタッフから報告を受けていたんですね。うちのスタッフは優秀なんですけど、話を聞いているとなめらかなほうにいきそうだったんですね。それで戻ってきて試食してちゃぶ台をひっくり返したんでしたね(笑)。

 

山下

はい(笑)。開発は6ヶ月くらいに及んだんですけど、ちょうど3ヶ月くらいのころで、ほぼ決まりかけたと思ったタイミングでしたね。

ザクザクさせたことでチョコレートを噛むたびにゼロリセットされて香りが上がってくる、というのはペアリング体験を豊かにする形にたどり着けたと思います。

コーヒーは本来、きれいな味なんです。

 

丸山代表

コカーナというのは不思議なコーヒーで、合わせるものによって出てくる香りが変わるんですよね。今回はピーチやベリー系のチョコレートと合わせているので、赤い花の印象が強く出るのですが、青い花系(ロンガン系の紅茶)や白い花系(ジャスミン)と合わせるとそれらが出てきます。「あなた色に染まりますよ」というコーヒーなんです(笑)

 

山下

それでも、ここまで繊細な香りを出すのは難しいですよね。

 

丸山代表

先ほどの一般的なコーヒーで言えば、いがらっぽさや塩味っぽさやラフな感じがどうしても強いんですね。それが支配的になるとキツいんですけど、わりとそれが「コーヒーの味」だと思われがちなのです。

スペシャルティコーヒーの中でも特にいいものになると、すごく味がきれいなんですね。完熟味だけをピックアップして、いろいろな意味で手を尽くして処理をしますので、非常にきれいな味に出来上がるんです。これが2000年当時には「味がない」と言われました。

丸山代表

コーヒーというのは本来、きれいな味なんです。

そしてここまできれいになるとようやくペアリングが活きてくるんですよね。苦みが支配的ではないので。弊社でも肉と合わせたりとか、シャルキトリと合わせたりということをやっています。「えっ!?」と思われるのですが、これがしっかり合うんです。去年と一昨年と2回フランスに行って、パリのシェフたちにコーヒーのペアリングをしてもらったんです。それから日本人のシェフたちにも無茶振りで「おにぎりとコーヒー」とか「梅干しとコーヒーとか試したんです(笑)。日本人シェフは「やっぱり梅干しはダメだな」なんて言ってたんですけど、フランス人シェフたちはすごく面白がって「コーヒーでこんなに合うんだ」と驚いていましたね。

丸山代表

もともとコーヒーのフードペアリングに興味を持ち始めたのは、いろいろな世界中の味のチョコレート——イタリアだったらジャンドゥーヤの香りがするものとか——と合わせたときに、一つだけどうしてもうまくいかないのが「シャンパンチョコ」だったんです。で、最後にやけっぱちになって華やかなコーヒーとぶつけてみたらすごく合ったんですね。これで「同系で合わせると面白いな」と気づきました。そういう意味でもチョコレートというのは私にとってペアリングの基になったというか、学ばせてもらった素材でした。

 

山下

今回も同系で合わせたことで、お互いの良さを伸ばすことになりましたね。

 

丸山代表

そうですね。本当に良かったと思っています。

 

チョコレートに新しい基準をつくる。

 

丸山代表

これからの山下社長の夢はどんなことですか?

 

山下

チョコレートはまだコーヒーほど品種や品質の議論ができるレベルに達していないんですね。

 

丸山代表

コーヒーの場合は、今年の出来がいいかどうかは、その場で焙煎して淹れて飲めば判断できるんですよ。そこで議論できるんですけど、チョコレートはそうはいかないですもんね。

 

山下

そうなんです。その場で作ることはできなくないのですけど、難しいですね。年が変わると味も変わっちゃってますので。あとは、コーヒーのように「こういうプロセスでやったらおいしいものが出来る」ということが確立されていないので……

 

丸山代表

それで思い出したことがあります。私がBean to Bar Chocolateへの野望を抱いていたころに、エクアドルのコーヒーの品評会に行ったら、カカオの品評も同時にやっていたんですよ。そこでブースというブースをまわってサンプルを送ってもらうように言ったら「うちはスペシャルティです」「うちのはすごい」と売り込んできたんですけど、送ってもらって(Minimal製造責任者の)朝日さんにも渡したら結構ひどい出来だったということがありました。スペシャルティという概念もまだないんですね。

 

山下

そうなんですよね。僕の夢としては、世界中のいろいろなカカオを知り、食べることですね(笑)

丸山代表

コーヒーで言うと、エチオピアとかケニアって有名なんですけど、カカオで言うとどこが際立ってるんですかね?

 

山下

二つ考え方があるんですけど、今までの大量生産のチョコレートにおいてはなるべく渋味が少なくて味がまろやかでクリアなものがよいとされるので、クリオロ種やホワイトカカオという品種で中米が強いですね。アマゾン流域がカカオのオリジンという説が強いので、あのへんにあるエクアドルとかペルーとかコロンビアがまず一つ良いと言われています。

一方で、スペシャルティコーヒーのように「新しい基準」でカカオを評価する流れがあります。たとえばベトナムは「トリニタリオ種」というカカオが主流で、これは「酸」を含ませることの多い品種です。僕らみたいな「その土地の個性や品種の個性をそのまま活かそうよ」という考え方からすると、「酸」は決して悪いことではないので、ベトナムの酸味を思いっきり活かしたチョコレートが今回(2016年)チョコレートの国際品評会で賞を獲ったりしてるんです。

 

丸山代表

それが素晴らしいと思うのは、「何がおいしいコーヒーか」という概念があって、皆さんよくご存じのジャマイカの「ブルーマウンテン」、ハワイの「コナ」、タンザニアの「キリマンジャロ」とかっていうブランドで売られているものが一番うまいと思われていたんです。ところが、それをブラインドの品評会に出すと、どこでやってもことごとく無名の産地が勝つんですよ。

最初は理由が分からないので因果関係が見つけられないんだけど、継続的に付き合っていくとじつはそれが「土地の味」だって分かる。

そうして、2000年ごろから15年かけてコーヒーの世界地図が塗り変わったんですけど、同じことがカカオでも起きるんじゃないですかね。レースの最後尾を走っていると思っていた産地が、流れが変わって先頭に立っていたみたいな。

山下

チョコレートっていうのは、どういうふうに加工するかということがこの100年くらいですごく研究されていて、これからはもう少し裾野が広がって多様性が出てくるんじゃないかと思います。お客様が「おいしい!」と言っていただけると、流れは変わると思います。

 

丸山代表

そうなんですよ。じつはマーケットが決めるんですよね。プロは「分かっている」というより、「今までそうしてきた」というだけだったりするんですよ。お客様が「こっちだ!」ということで山が動いたときにプロはそっちに動くんですよね。

 

山下

まだ僕らは真っ暗闇の中を歩いてるんで、丸山さんのように15年前にコーヒーを切り開いてきた先人を見ていると、心が折れそうなときに「あ、チョコレートでも同じことが起こるんじゃないかな」と思えるんですね。

 

「ちゃんと産地に行きなさい」

 

丸山代表

Minimalさんはこれからハイシーズンでお忙しいと思うんですけど、4月にね、「灰になって燃え尽きちまった」山下さんとドミニカのほうに、なぜかコーヒー屋の私も一緒に行かせていただく予定になってますよね。ちょっと行ってこようかなという感じで。

 

山下

丸山さんのこのフットワークの軽さは僕がもっと見習わないとなと思うところですね(笑)

 

丸山代表

身体は重いんですけどね(笑)

 

山下

国内旅行に行く感じの身軽さで中米に行かれますよね(笑)

 

丸山代表

ヨーロッパに行くのは本州の西の下関に行く感じで、アフリカに行くのは九州に行く感じですから。

 

山下

(笑)。1年の間でどのくらい行かれるんですか?

 

丸山代表

去年はじつは半分を越えました。「社長元気で留守いい」ということで(笑)。

 

山下

僕らはまだ3ヶ月くらいですね。

 

丸山代表

3ヶ月行かれてるんだ。

 

山下

自分で見ないとやっぱり、何が良くて何が悪いか分からないんですよね。特に発酵指導も始めていますし。

 

丸山代表

素晴らしいですね。

 

山下

それは初めのころに、丸山さんにアドバイスをいただきました。「ちゃんと産地に行きなさい」って。丸山さんのおかげです。

山下

僕が今でもよく覚えているのが、Minimalを始めたころに、ザクザクしたチョコレートはやはり奇をてらっているように見えたのか、チョコレート業界の先輩方からありがたいご忠告も含めてお叱りをいただいたときに、丸山さんから「損して得とる」くらいにドンと構えて、世の中が変わっていくのを待つようにお言葉をいただいたんですね。

 

丸山代表

お言葉なんてやめてください(笑)。

 

山下

今は損をしているようでも、しっかりものづくりの本質を見極めて、いいものを作っていくことでいつか世の中が変わるということがずっと自分の支えになっていまして、やっぱり自分の目で見て「これは面白い」「これはおいしい」とか判断していくことで丸山さんにご恩を返していけたらいいなと思っています。

 

丸山代表

これからも仲良くよろしくお願いいたします。

 

会場の皆様からのご質問にお答えいたします。

 

質問者様1

コーヒーの温度が冷めるほどに味が違うように感じたのですが、冷めてもよいのでしょうか?

 

丸山代表

テイスティングは45分かけて行いますので、35度くらいまで冷めた状態で——普通に飲むと冷たい状態です——飲みます。悪いコーヒーですとそこまでいってしまうととても飲めませんが、良いコーヒーはそこでもいろいろなものが出てきますので、冷めてからがじつは大事です。

丸山代表

品評会の審査員をしていて、熱いときにパッパッと味見すると、全部コーヒーの味しかしないんですね(笑)。熱いときはコーヒーの味しかしないのですが、60度を切って55度、50度と口の温度に近くなってくると、いろいろなものが分かってきます。「酸」に伴うニュアンスと言いますか表情みたいなものが出てきますので。

普通のコーヒーだと「早く飲んで。冷めちゃうでしょ」なのですが、スペシャルティコーヒーの場合は、冷めていく過程も楽しめます。ワインほどではないですけどね。ワインは2時間とかかけて楽しみますけど。時間経過とともにカップの中にドラマがあると言いますか、まさに「味が違う」ことに気づけていただけていることが素晴らしいので、そのまま変わっていく様子を楽しんでほしいと思います。

 

質問者様2

Minimalさんは今後、他のチョコレート菓子の展開を考えていらっしゃいますか?

 

山下

Minimalは「最小限」という意味で、その最小限というのは「カカオ」のことなのですが、まず立ち位置としてはカカオの個性を表現するということを第一段階でやっています。ただ今でも、一部で、ミルクチョコレートやザクザクしないチョコレートを試して出したりしています。一番重要な事は「お客様の体験が豊かになる」ということなんじゃないかなと思っているんですね。芯にMinimalらしいカカオの風味の表現があるという事があるはもちろん大事ですが、お客様にとって美味しくて新しいということが僕らの基準です。今回のようなペアリングを通してチョコレートの捉え方が変わるということも含めて、興味はありますし、少しずつですが、他のチョコレートやチョコレートを使ったお菓子なんかにも踏み出していきたいと思っています。

 

質問者様3

レベルの高いカカオが採れる地域はどこなのでしょうか? これからはどこが注目の地域ですか?

 

山下

品種と農業のレベルから言えば、やっぱり中南米が圧倒的に高いですね。ヨーロッパが古くから取引していますので、レベルは高いです。

そして、僕らは日本のBean to Bar Chocolate会社なので、アジアには興味があります。

 

質問者様4

チョコレートにも、コーヒーのようなスペシャルティに特化した団体はあるのですか?

山下

カカオにはまだそういう団体はないです。

僕らもシアトルの「ノースウェストフェスティバル」っていうアメリカのBean to Bar Chocolateのイベントに呼ばれて出かけているのですけど、今そこでようやくゆるやかにそういうプレーヤーが集まりはじめているくらいですね。

 

丸山代表

今、Bean to Barの外資もけっこう日本に入ってきますよね。

 

山下

そうですね。でも、けっこう違いはあるなと思っていて、アメリカってやっぱり中南米へのアクセスがいいので、軽々と産地へ行けるんですよ。

 

丸山代表

そうなんですよ。下関の人が大分に行くのと同じです(笑)

 

山下

そうなんです(笑)。だから流通でも、すごく安く豆を手に入れられるんですね。さらにアメリカのBean to Bar業者ってほとんど店舗を持ってないです。卸販売で流通させるので。

山下

それから、アメリカでは「健康系のチョコレート」っていう文脈で流行っているんですよ。そうすると、ホールセール(ショップ)に専用の棚があるんですね。すぐそこで売れるという構造なんです。

日本のマーケットはそれとは違うなと思っています。日本のお客様はすごく繊細な味を求めていて、コーヒーもそうだと思うんですけど、味に対して厳しい面を持たれている。結果的に日本のBean to Bar Chocolateのほうが網の目が細かくなってきているなと思います。

だから、日本の同業者と喋る感覚と、アメリカの業者と喋る感じでは全然違います。アメリカに行くと「どういうふうにマーケティングしてる?」とか「どういうふうに売る」という話が多いんですけど、日本では「何度くらいで豆を焼いてますか」とか。

 

丸山代表

コーヒーもそうだな(笑)

 

山下

やっぱり傾向が違う印象があります。

 

丸山代表

生産国っていうことで言うと、彼らは地理的に近いじゃないですか。コスタリカなんかアメリカの修学旅行生がいっぱい来てますしね。あと、アメリカは開発予算に税金を投入して中南米の生産国に使うわけですね。それは共産化対策とか、コロンビアやボリビアなんかで言うと麻薬(コカ)を作らせないための対策であったりもするんですけど、コーヒー栽培にすごい予算が降りるんですね。日本と違うのはNGOが非常に活躍していて、日本だと優秀な子が大企業に行っちゃうのが、NGOに優秀な若い子が来てるんですよ。彼らが非常にタフに仕事をしてちゃんといいものを作らさせる、それをアメリカの企業がちゃんと買っていくんです。そういうシステムができているんですね。

日本もちゃんとやってるんですよ。でもたとえば、丸山珈琲に紹介すると「特定企業のためには良くない」とか「国益のためにやっちゃいけない」みたいなことになるんですね。

丸山代表

そういう点では、アメリカっていう国は非常に上手だなと思ってます。ニカラグアにも初めて行ったときに、産地まで車で2~3時間かかるんですけど、そこまでの道は舗装されていてすごくきれいなんですよ。それは全部日本が造ったなんていってODAでやってるんです。そのきれいな道でアメリカ人たちは産地に行くんですよ(笑)。産地に行くと急にアメリカ色が強くなってーー焙煎機械はアメリカ製とかーー採れた豆はアメリカに行く、という構図は見ておりまして。日本はいいことをしてるのに、最終的に消費者のところまで(恩恵が)来ないんですね。

 

山下

いやあ、本当によく分かります。こんな話をすると怒られるんですけど、日本でカカオを買うと高いんですよ。コストの構造が持たないですね。アメリカで話していると、3ドルとか4ドルで普通にいい豆を買えちゃうんですよ。僕らなんて同じものを買おうと思ったら、正直、2000円とかですからね。輸送のルートもないので。船で輸入して、ということになるのですけど、船で入れようとしたら、ハーフコンテナで12.5トン買わなくちゃならないんですね。僕らは今8種類の商品を出してますけど、一番多い銘柄で年間5トンいかないくらいです。それでも日本のBean to Bar Chocolateブランドで言ったら断トツだと思うんですけど。

山下

だから、結局飛行機で輸入します。そのくらいの量だと船とコストが変わらないですからね。

あと、日本は輸入が一筋縄ではいかない、たとえば僕らみたいな人間が何も知らずに輸入しちゃって、もし仮に検疫に引っかかっちゃうと、その国のカカオが以後全部検査対象になったり、一番バッドケースは輸入禁止になっちゃうんです。

 

丸山代表

そう。違反事例って言ってね。

 

山下

たとえば、フィリピンのカカオ豆で引っかかっちゃうと、後から他の会社が輸入しようとするときも全部検査対象になっちゃって迷惑をかけるんです。

 

丸山代表

一時期、エチオピアのモカコーヒーが日本になくなるって言って大騒ぎになったことがあったんですね。残留農薬が基準値を超えているっていう話で。なぜか同じ化学物質の農薬でも中国から生で入れるサラダはOKで、コーヒーは焙煎しちゃうと農薬はほとんど分解しちゃうんですけど、そっちのほうが厳しいっていう変な仕組みになってまして。

本当に変に入れちゃうとね、業界に迷惑かけちゃいますよね。

 

山下

本当に責任があるので。だからていねいにやろうと思うと、一度サンプルをとってこっちで検査してということが事前に必要になるんですね。向こうでは検査なんてなかなか実現が難しいので。

丸山代表

ところで、コーヒーの場合は「テイスティングシート」があるんですけど、チョコレートにもあるんですか?

 

山下

国際品評会にいくとあるんですけど、団体によって基準が違ったり、あまり定まっていないんですね。

 

丸山代表

なるほど。コーヒーも初期はそうでしたね。生産者は当然、まだ全然分からないですよね。

 

山下

分からないですね。

 

丸山代表

15年前に生産者の会合に行って、「この中で自分の生産したコーヒーを飲んだことある人?」って聞いて、ほとんど手が挙がりませんでした。今は、ほとんど手が挙がります。

 

山下

カカオは、その15年前の状態と一緒ですね。ほとんど生産者は知らないです。チョコレートが何なのかということすら分かってないですから。「とりあえず豆を買っていく業者がいるから売ってる」というだけです。

僕らが生産地に行くと、村の人に集まってもらって、その場フライパンで煎ってで石臼で豆を挽いて、簡単なチョコレートを作って食べてもらうんですよ。それをやって初めて「こんなにおいしいものを作ってたのか!」ってなって目の色が変わるんです。自分たちがどういうものを作っているかを知ると変わりますね。

 

丸山代表

そうなんですよね。「知る」と動くんですよね!

では、そろそろお時間になりました。本日はお忙しい中、ご来場いただきどうもありがとうございました。

山下

どうもありがとうございました。

 

トークセッションは、大盛況のうちに幕を閉じました。Minimalと丸山珈琲のペアリング新商品「Coffee with Chocolate Set」は好評発売中です。ぜひお手にとって、ペアリングの新しい可能性を感じてみてください。

 

商品概要

商品名:「Coffee with Chocolate Set by Minimal&丸山珈琲」
販売期間:~売り切れ次第終了~
価格:2,500円(税込) 
内容:FRUITY CITRIC-COLUMBIA-1枚(50g)+エチオピア・イルガチェフェ・コカーナ1袋(100g)

 

 

販売場所

Minimal富ヶ谷本店 及び Minimal銀座Bean to Bar Stand

店舗へのアクセスはこちらから

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